先週は「相場が上に行こうとするたびに、政治が止める」という展開でした。
週前半、9月米製造業・サービスPMI速報値がともに予想を大幅上回る強い数字となり、ドル円は一時159.0円まで上昇。10月FOMC追加利上げ観測が約64%まで高まり、米10年国債利回りは5%を軽く超えてどんどんドル買いが進む展開になりました。
しかし週末に流れが一変。
金曜夕方の日米首脳会談(ニューヨーク)で、トランプ大統領が円安への懸念を示したと伝わりました。さらに片山財務相から「高市首相はリフレ派ではない」、城内経財相からは「リフレ政策の局面は終わっている」という発言が相次ぎ、日本政府の政策転換姿勢が鮮明に。ベッセント財務長官も「日本の強固な経済基盤を反映した強い円の望ましさを議論した」と明かしたことで円買いが急加速し、ドル円は156.9円付近まで大きく下落し157.3円付近で週末クローズとなりました。 MyfxmarketsMyfxmarkets
週間でみれば156.7円スタート→159円台→157円台という乱高下。「強い経済指標でドル買い」と「日米当局の円安牽制でドル売り」という綱引きが続いており、当面は156〜158円台がレンジとして意識されそうです。
今週は9月・第3四半期の最終週であり、月末・四半期末の需給フローも加わります。さらに水曜のPCE・木曜の日銀短観・金曜のNFPという重要指標が後半に集中する超重要週です。
🗓 9/28(月)
08:50 🇯🇵 日銀 金融政策決定会合議事要旨(7月30〜31日分)
08:50 🇯🇵 日本 8月企業向けサービス価格指数(前年比、予想 +3.6%)
23:00 🇪🇺 ラガルドECB総裁 発言
週初は日銀議事要旨から。7月30〜31日の会合は今回1.25%に利上げした9月会合の前段階で、当時どのような議論があったかが明らかになります。「利上げの必要性をどれだけ強く訴えていたか」「タカ派委員の温度感がどこまであったか」を確認する材料として円の動きに影響します。
🗓 9/29(火)
13:30 🇦🇺 RBA 政策金利発表(予想 4.60% 前回 4.35%)
23:00 🇺🇸 米 9月消費者信頼感(予想 90.0 前回 89.4)
23:00 🇺🇸 米 8月JOLTS求人件数(予想 722.5万件)
今週前半の注目はRBA。
4.35%→4.60%への0.25%利上げが予想されており、達成なら豪ドル買いが走りやすい局面です。先週発表された豪8月CPIが+4.1%(水曜に改めて確認)と高止まりしている中での発表で、声明文でのトーン次第では追加利上げ観測がさらに広がる可能性も。
🗓 9/30(水)
08:50 🇯🇵 日本 8月鉱工業生産・速報値(前月比、予想 +1.2% 前回 −0.2%)
10:30 🇦🇺 豪 8月CPI(前年比、予想 +4.1% 前回 +3.5%)
10:30 🇨🇳 中国 9月製造業PMI(予想 50.1 前回 49.8)
19:00 🇯🇵 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)公表
21:15 🇺🇸 米 9月ADP雇用統計(予想 7.0万人 前回 3.8万人)
21:30 🇺🇸 米 8月PCE(前年比、予想 +3.7% 前回 +3.7%)
21:30 🇺🇸 米 8月コアPCE(前年比、予想 +3.3% 前回 +3.3%)
今週最もイベントが密集する水曜。月末・四半期末が重なります。
19時の介入実績公表では8月・9月の実弾が初めて公式に確認されます。7月30日の協調介入(推計8〜9兆円規模)と9月21日以降のレートチェック実施も含めた数字が明らかになることで、市場の弾薬残量計算が大きく更新されます。「まだ余力がある→介入警戒継続→上値重い」「使い切りつつある→円売り再開」のどちらになるかで週末NFPへの期待感も変わります。
PCEは前回と同水準の+3.7%予想で、インフレが「高止まりしたまま動かない」という絵が確認される方向。コアも+3.3%で変化なし予想なら「FRBはまだ動けない」という解釈でドル売り材料になりえます。
ADPは前回3.8万人からの大幅回復予想(7.0万人)で、金曜NFPの先行指標として注目。
🗓 10/1(木)
🇨🇳🇭🇰 中国・香港 休場(国慶節)
08:50 🇯🇵 日銀短観 大企業製造業業況判断(予想 25 前回 22)
08:50 🇯🇵 日銀短観 大企業全産業設備投資(前年度比、予想 +12.2%)
23:00 🇺🇸 米 9月ISM製造業景況指数(予想 55.0 前回 54.6)
朝の日銀短観に注目。1.25%への追加利上げ後初の四半期短観で、企業が利上げをどう受け止めているかが確認できます。大企業製造業が前回22から25へ改善予想なら「利上げしても企業景況感は崩れていない」として日銀の次の利上げを後押しする材料に。設備投資も+12.2%予想と前回からの加速が見込まれており、強い内容なら円買い材料となります。
🗓 10/2(金)
🇨🇳 中国 休場(国慶節)
08:30 🇯🇵 日本 9月東京都区部CPI(生鮮除く、予想 +2.4% 前回 +1.8%)
18:00 🇪🇺 ユーロ圏 9月HICP速報値(前年比、予想 +3.7% 前回 +3.2%)
21:30 🇺🇸 NFP 非農業部門雇用者数(予想 10.0万人 前回 16.2万人)
21:30 🇺🇸 米 9月失業率(予想 4.1%)
21:30 🇺🇸 米 平均時給(前年比、予想 +3.2% 前回 +3.1%)
今週最大のイベント、NFP。
前回16.2万人から10.0万人への大幅鈍化予想です。10月FOMCの追加利上げ確率が64%まで上昇している中でのNFPだけに、強い数字なら追加利上げ確定→ドル買い、弱い数字なら「雇用が崩れてきた」→利上げ停止観測→ドル売りという明確な二択になります。
朝の東京CPIが+2.4%予想と前回+1.8%から大幅加速見通しなのも注目点。日銀の次の利上げを後押しする物価データが週の最初と最後に並ぶ週です。
■ 筆者のまとめ
先週の最大の収穫は「日米首脳会談で円安問題が正式に議題になった」という事実です。
トランプ大統領が円安を懸念し、ベッセント財務長官が「強い円の望ましさ」を明言した——これは4月の「最後の退避勧告」や9月1日の「胴元発言」と同様に、「次に159円台をつけたらかなりリスクが高い」というシグナルとして市場は受け取っています。
今週156〜158円というレンジで推移するなかで、水曜のPCEと金曜のNFPがそのレンジをどちらに破るかを決めます。強ければ158→159→介入、弱ければ156→154方向という展開です。
今週のポイントは3つ。
- PCEが+3.7%高止まりで10月FOMC追加利上げが既定路線になるか
- NFPが10万人を下回って雇用悪化が鮮明になり利上げ停止観測が出るか
- 介入実績の数字で「残り弾薬」を市場がどう判断するか
月末・四半期末・重要指標ラッシュという三重苦の週です。需給フローによる予期せぬ動きにも注意しながら、ロットは控えめで臨んでください。
参考リンク
外為どっとコム|ドル円 日米当局の円安牽制が重石 156円台では底堅さも
→ https://www.gaitame.com/media/entry/2026/09/28/074648
ザイFX!|9/28〜10/2 週の為替相場注目材料スケジュールと焦点
→ https://zai.diamond.jp/articles/-/496267
myfxmarkets|9/28〜10/2 相場見通し PCE・雇用統計に注目
→ https://media.myfxmarkets.com/key-market-analysis-20260928/

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