日米両中銀が同じ週に利上げしたのに、円安が進んだという異例の展開です。
水曜深夜のFOMCは全会一致で3.75〜4.00%への利上げを決定。約3年ぶりとなる利上げ再開で、ドットチャートでは年内にさらに1回の追加利上げを示唆するタカ派的な内容となりました。発表後にドル円は156円台へ急伸し、米10年国債利回りは一時5%台を突破。株式市場ではダウが631ドル安と大幅下落しました。
そして金曜の日銀は予定通り1.00%→1.25%への利上げを決定。しかし7対2という票割れ(2委員が据え置きを主張)が市場に「タカ派度が弱い」と映りました。さらに植田総裁の会見では次の利上げ時期への具体的な言及が一切なく、「ハト派的な利上げ」という評価が広まって円売りが加速。ドル円は一時158.05円まで上昇しました。
要するに「FRBが強く利上げ+日銀が弱く利上げ」という非対称な結果が、円安につながったという構図です。
8月全国CPIは前年比+2.0%と予想通りに到達しましたが、それでも円が買われなかった——この事実は、日銀の利上げペース(半年に1回程度)が市場から「遅すぎる」と見られていることを改めて示しています。
今週は日本が月〜水と3連休という薄い週のスタート。イベントは比較的軽めですが、先週の「日銀利上げでも円安」という衝撃的な結果を消化しながら、次の焦点を探る1週間です。
🗓 9/21(月)
🇯🇵 日本 休場(秋分の日)
指標ゼロ。日本の休場もあり、欧米主体の薄い相場になりそうです。先週の利上げ結果を受けた動きの延長線上で、ドル円が158円台を維持できるかを確認する一日です。
🗓 9/22(火)
🇯🇵 日本 休場(振替休日)
20:00 🇪🇺 ラガルドECB総裁 発言
23:00 🇺🇸 米 9月リッチモンド連銀製造業指数
2日連続の日本休場で引き続き流動性は薄め。ラガルド発言ではECBの次の一手への言及があれば、ユーロが動く局面も。リッチモンド連銀指数は前回4から改善があるかどうかが注目です。
🗓 9/23(水)
🇯🇵 日本 休場(振替)
16:15〜17:30 🌍 欧州PMI速報値(仏・独・ユーロ圏・英)
22:45 🇺🇸 米 9月製造業・サービスPMI速報値
22:00 🇿🇦 南ア準備銀行 政策金利(予想 7.25% 前回 7.00%)
今週最大のイベント、欧米PMI一斉発表の日。
FOMC・日銀会合通過後の最初のPMI速報で、9月の景況感がどう変化したかを確認します。特に注目は米サービスPMI(予想 56.0)。先週の利上げ後も米経済の強さが維持されているなら「FRBの追加利上げ余地がある」という解釈でドル買いが続くシナリオに。欧州は製造業が50台前半でかろうじて拡大圏を維持しており、鈍化が鮮明になればユーロ売り材料になります。
🗓 9/24(木)
10:30 🇦🇺 豪 8月新規雇用者数(予想 +2.00万人 前回 −1.58万人)
16:30 🇨🇭 SNB スイス国立銀行 政策金利(予想 0.00% 前回 0.00%)
17:00 🇩🇪 独 9月IFO企業景況感(予想 89.0 前回 88.8)
21:30 🇺🇸 米 新規失業保険申請件数(予想 20.0万件 前回 19.6万件)
23:00 🇺🇸 米 8月新築住宅販売件数(予想 62.0万件 前回 60.7万件)
SNBは0.00%での据え置き予想。スイスは欧州の物価環境とは切り離して独自のゼロ金利を維持しており、サプライズは少ない。ただし声明文でのインフレ見通し変化には注意。
米失業保険申請は前回19.6万件という低水準からの若干の増加予想で、FRBの追加利上げに向けた雇用市場の底堅さが維持されるかを確認します。
🗓 9/25(金)
🇨🇳 中国 休場(国慶節前)
21:30 🇺🇸 米 8月耐久財受注(前月比、予想 −0.3% 前回 +1.1%)
23:00 🇺🇸 米 9月ミシガン大学消費者態度指数・確報値(予想 47.5 前回 47.8)
週末金曜は軽めの指標が並びます。耐久財受注は輸送機器要因で総合はマイナス予想ですが、除く輸送機器は+0.5%と改善予想。ミシガン大消費者態度指数は47〜48台と低水準が続いており、利上げによる消費者心理への影響が改めて確認される内容になりそうです。
■ 筆者のまとめ
「日銀が利上げしても円安になった」——先週のこの事実は、ある意味でトレーダーとして非常に学びになる動きでした。
市場が「どれだけ利上げしたか」ではなく「これからどれだけ利上げするか」を織り込んで動くということを、改めて痛感した週でした。FRBが年内もう1回の追加利上げを示唆、日銀は次の時期を示さず——この非対称性が円安を生んだ構図です。
今週は日本の3連休で相場は薄く、ビッグイベントも少ない週です。ただしFOMCと日銀会合の余韻が続く中で、水曜のPMI速報が「米経済は強いのか弱いのか」という市場のコンセンサスを更新する唯一の材料になります。
今週のポイントは3つ。
- 米サービスPMIが高水準を維持して年内追加利上げ観測がさらに強まるか
- ドル円が158円台を維持して160円方向を再び試す動きが出るか
- 日本の3連休中に薄い板を狙った急変動が起きるか
先週の利上げ週を乗り越えたのに158円台というのが今の相場の現実です。「日銀の利上げペースが遅すぎる」という市場の評価を変えるには、植田総裁が次回の会合で踏み込んだ姿勢を見せるしかありません。今週は静かに相場を観察して、次の大きな動きに備える週として使いたいと思います。
参考リンク
外為どっとコム|日銀利上げでも円安進行 ドル円は再び160円に戻る?
→ https://www.gaitame.com/media/entry/2026/09/18/193200
外為どっとコム|来週のドル円相場はどうなる?9/21週のイベント予定
→ https://www.gaitame.com/media/entry/2026/09/20/060200
みんかぶFX|為替相場まとめ 9月14日〜18日の週
→ https://fx.minkabu.jp/news/379533

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