先週は「日本CPIが予想通りに加速、でも市場の反応は限定的」という週でした。
金曜に発表された7月全国CPIは、総合が前年比+1.9%、生鮮除くコアが+1.8%、コアコアが+1.9%と、いずれも6月から伸びが加速。物価上昇圧力の根強さが確認されました。ただし数字は市場予想通りだったこともあり円買いは限定的で、「日銀利上げは織り込み済み」という反応にとどまり、ドル円は159円前後での推移が続いています。
月曜の日本GDP速報値は年率+1.1%にとどまり個人消費の弱さが意識されましたが、CPI加速との組み合わせで「消費は弱い、でも物価は上がっている」というスタグフレーション的な構図が日本でも浮かび上がっています。
先週のFOMC議事要旨は本稿更新時点で確認中ですが、注目は今週に集まっています。
ジャクソンホール会議は8月27〜29日に開催され、ウォーシュFRB議長が議長として初めての基調講演を金曜日に行います。今年のテーマは「資金決済分野における金融イノベーション」ですが、市場の最大の関心はテーマそのものではなく、ウォーシュ議長がインフレ抑止に対する姿勢をどこまで明確に打ち出すかという一点に絞られています。
ウォーシュ議長は就任以来フォワードガイダンスを大幅に縮小する方針を掲げており、7月29日のFOMC後の記者会見では「近視眼的な議論から離れ、大きな問いを投げかけたい」と予告。講演を白紙の紙のようなものと述べ、大局的な内容にするか秋の政策の地ならしにするかも決めていないと語っています。
PCEとジャクソンホール——今週はその2つが組み合わさって、9月以降のドル円の方向性を決める週になります。
トレーダーruka今週はジャクソンホールとウォーシュ議長の発言が大注目のイベントとなっています。
資金を守ために指標の前後に無理にポジションを持たないことが大切ですね。
🗓 8/24(月)
23:00 🇺🇸 米 8月消費者信頼感(予想 90.2 前回 90.8)
23:00 🇺🇸 米 8月リッチモンド連銀製造業指数(予想 7 前回 5)
週明けは落ち着いた指標が並ぶスタート。消費者信頼感は前回からわずかな低下予想で、インフレ長期化による消費者心理の疲弊が続いているかを確認します。金曜のジャクソンホールに向けた様子見ムードが強く、大きな動きにはなりにくい一日です。
🗓 8/25(火)
10:30 🇦🇺 RBA 金融政策会合議事要旨
15:00 🇩🇪 独 2Q GDP改定値(前期比、予想 +0.2% 前回 +0.2%)
17:00 🇩🇪 独 8月IFO企業景況感(予想 87.2 前回 86.6)
23:00 🇺🇸 米 7月新築住宅販売件数(予想 62.0万件 前回 62.8万件)
独GDP改定値は速報値から変化なしの予想ですが、IFO景況感が前回から改善見通しで欧州の景気への期待感が戻ってきているかを確認。水曜PCEに向けた地ならしの一日で、大きなサプライズがなければ様子見が続きそうです。
🗓 8/26(水)
10:30 🇦🇺 豪 7月CPI(前年比、予想 +3.3% 前回 +3.8%)
21:30 🇺🇸 米 7月PCE(前年比、予想 +3.6% 前回 +3.7%)
21:30 🇺🇸 米 7月コアPCE(前年比、予想 +3.3% 前回 +3.3%)
21:30 🇺🇸 米 2Q GDP改定値(前期比年率、予想 +1.5%)
21:30 🇺🇸 米 7月耐久財受注(前月比、予想 +0.5%)
今週前半の最大イベント、PCE。
PCEでインフレの粘着性が確認されれば、FRBの追加利上げ観測が高まり米長期金利が上昇してドル円は160円台を試す可能性があります。反対にインフレ鈍化が鮮明になれば米金利が低下し、158円割れから157円台への下押しも視野に入ります。
コアPCEは前回比変化なし(+3.3%)の予想で、今月のCPI鈍化(+3.4%)の流れが確認されるかどうかが焦点。金曜のウォーシュ講演の前日という位置づけで、PCEの数字がウォーシュ発言のトーンを左右するという読みで市場は受け取ります。
🗓 8/27(木)
🌐 ジャクソンホール会議 開幕(〜29日)
🇯🇵 氷見野日銀副総裁 講演・記者会見
20:30 🇪🇺 ECB 理事会議事要旨
21:30 🇺🇸 米 新規失業保険申請件数(予想 20.8万件)
ジャクソンホールが始まる木曜は氷見野日銀副総裁の講演も重なります。植田総裁が入院明けで会見を代行していた際のトーンを踏まえて、副総裁が10月利上げへの言及をどこまでするかが注目点。タカ派的な発言なら円買い材料として機能する局面もあり得ます。
ECB議事要旨は2.40%への利上げ決定の詳細が明らかになり、追加利上げへの議論の深度を確認できます。
🗓 8/28(金)
08:30 🇯🇵 日本 8月東京都区部CPI(生鮮除く、予想 +1.8% 前回 +1.9%)
19:00 🇯🇵 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)公表
23:00 🇺🇸 ウォーシュFRB議長 ジャクソンホール基調講演
今週、そして今年最大のイベント。
金曜は三つの重大なイベントが重なります。
朝の東京CPIは前回+1.9%からわずかに低下の+1.8%予想。日銀の10月利上げへの根拠を維持できるかの確認です。
19時の介入実績は7月分が初めて公式に確認されます。7月30日の協調介入の規模が明らかになることで、「残り弾薬」の計算が更新される局面。市場がまだ余力ありと見れば160円への再挑戦が抑制され、使い切りつつあると判断されれば円売りが加速するシナリオも。
そして夜のウォーシュFRB議長の初講演。6月FOMCではドットプロットが「年内利下げ1回」から「年内利上げ1回」に転換したとも報じられており、市場では新体制の金融政策スタンスを見極めようとする動きが続いています。タカ派スタンスが鮮明になれば160円突破も視野に、ハト派的なトーンなら157〜158円方向への急落も。
■ 筆者のまとめ
「インフレは落ち着いてきている。でも下がり切らない」——先週のCPIとPPIが示したのはその一言に尽きます。
今週はその答えを、ウォーシュ議長がジャクソンホールで語ります。講演について「白紙の紙のようなもの」と本人が述べており、内容は読めない。だからこそ市場は敏感に反応します。
水曜のPCEが鈍化を示し、金曜のウォーシュ講演がハト派的なら——FRBの利下げ転換観測が一気に高まり、日米金利差縮小期待で円高が走るシナリオが現実になります。逆にPCEが粘着、ウォーシュが利上げ示唆なら——164円の壁が再び試されるかもしれません。
今週のポイントは3つ。
- PCEが鈍化してFRBの利上げ観測が後退するか、粘着してドル買いが再加速するか
- ウォーシュ議長の初講演でタカ派・ハト派どちらのトーンが出るか
- 介入実績の数字から市場が「弾薬残量」をどう判断するか
今年最大のビッグイベントです。ロットは最小限に、方向が出てから乗る——それだけを守って今週を乗り越えましょう。
参考リンク
大和総研|2026年ジャクソンホール会議の注目点
→ https://www.dir.co.jp/report/research/economics/usa/20260820_025997.html
外為どっとコム|来週のドル円見通し 8/24〜8/28
→ https://www.gaitame.com/media/entry/2026/08/23/070000
外為どっとコム|ドル円158円割れ?160円回復?ジャクソンホール注目ポイント
→ https://www.gaitame.com/media/entry/2026/08/21/165616










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