この土日、相場を動かす材料が一気に重なりました。
まずイラン停戦。12日間の戦闘の末にトランプが仲介した停戦合意は、不安定ながらも維持されています。ただしハメネイ師は「イランは勝利した」と主張、欧州当局者はイランの高濃縮ウランの大部分が残ったままとみており、核問題の根本解決には程遠い状況。停戦による原油急落がどこまで続くかは予断を許しません。 YouTubeOricon
次にビットコイン暴落。5月下旬から6月上旬にかけて約75,000ドルから61,000ドル台まで急落。主因は「売りが増えた」のではなく「買い手が消えた」ことで、ETF流出とAI株への資金シフトが背景にあります。米株もダウが6営業日ぶりに反落するなど、リスクオフムードが漂っています。 Investing.com + 2
そして最大の材料が日銀の1%利上げ報道。Bloombergが「今月の会合で0.75%→1.0%への引き上げを検討。年内に追加利上げの可能性もある」と複数の関係者の話として報じました。市場の6月利上げ織り込み確率は78%まで高止まりしています。 Yahoo!ニュースSonybank
為替介入で160円台を抑え込み、1%利上げで円高を誘導するという二段構えのシナリオが現実になりつつある今週。
トレーダーruka金曜日の雇用統計の結果も予想よりかなり良い内容でした。
ドル円がどう動くか、息の抜けない一週間になりそうです。
🗓 6/8(月)
🇦🇺 オーストラリア 休場
08:50 🇯🇵 日本 1Q GDP改定値(年率換算、予想 +1.4% 速報 +2.1%)
08:50 🇯🇵 日本 4月国際収支・貿易収支(予想 5,126億円 前回 8,305億円)
15:00 🇩🇪 独 4月製造業新規受注(前月比、予想 −2.0% 前回 +5.0%)
朝の日本GDP改定値に注目です。 速報の年率+2.1%から+1.4%への大幅な下方修正が予想されており、先週のBloomberg・日経の1%利上げ報道と組み合わせると「利上げできる経済環境かどうか」という視点で市場は数字を見ます。 弱い数字が出れば「やはり6月は見送りでは」という声も出てきますが、インフレ圧力が強まる中では1回の下方修正で日銀が迷い込む可能性は低い。どちらに転んでも、ドル円には即反応しやすい発表です。
🗓 6/9(火)
–:– 🇨🇳 中国 5月貿易収支(予想 926.0億ドル 前回 848.2億ドル)
15:00 🇩🇪 独 4月鉱工業生産(前月比、予想 +0.3% 前回 −0.7%)
21:30 🇺🇸 米 4月貿易収支(予想 −558億ドル 前回 −603億ドル)
23:00 🇺🇸 米 5月中古住宅販売件数(予想 406万件 前回 402万件)
やや落ち着いた指標が並ぶ日。 中国の貿易収支は前回から改善予想で、停戦後の原油価格の動向次第で輸入コストがどう変わったかが読めてきます。 米貿易収支も前回の赤字から若干の改善予想で、ドルの供給圧力が少し和らぐ方向に。
🗓 6/10(水)
10:30 🇨🇳 中国 5月PPI(前年比、予想 +3.8% 前回 +2.8%)
21:30 🇺🇸 米 5月CPI(前年比、予想 +4.2% 前回 +3.8%)
21:30 🇺🇸 米 5月コアCPI(前年比、予想 +2.9% 前回 +2.8%)
22:45 🇨🇦 カナダ銀行 政策金利(予想 2.25% 前回 2.25%)
今週最大のイベント。米CPI。
前年比+4.2%という予想は、先月の+3.8%から一段と加速してついに4%台に乗せるシナリオです。 原油高と賃金インフレが重なる中、これだけのCPIが出れば「FRBの利上げ転換」がより現実的な話として浮かび上がります。 ウォーシュ新FRB議長のタカ派スタンスとの組み合わせで、ドルが一段高になるシナリオも十分あり得る。
ただし日銀の1%利上げ観測がある中では、ドル高とドル円上昇は完全には連動しません。 「FRBが引き締める+日銀も引き締める」という両方の中央銀行がタカ派という局面は、単純なドル円の方向感を出しにくくします。
🗓 6/11(木)
21:15 🇪🇺 ECB 政策金利(予想 2.40% 前回 2.15%)
21:45 🇪🇺 ラガルドECB総裁 定例記者会見
21:30 🇺🇸 米 5月PPI(前年比、予想 +6.4% 前回 +6.0%)
21:30 🇺🇸 米 5月コアPPI(前年比、予想 +5.4% 前回 +5.2%)
21:30 🇺🇸 米 新規失業保険申請件数(予想 21.5万件 前回 22.5万件)
今週もう一つの大きなイベント、ECB。
2.15%→2.40%への0.25%利上げが予想されています。 先週発表されたユーロ圏HICPが予想通り+3.2%に加速していれば、その翌週にECBが利上げというのは自然な流れ。 利上げが実現すればユーロ買いが走り、ユーロ/ドル・ユーロ/円ともに動く局面になります。
米PPIも前年比+6.4%予想と川上段階のインフレがさらに加速する見通しで、翌月以降のCPIへの先行指標として警戒感が高い。
🗓 6/12(金)
15:00 🇬🇧 英 4月月次GDP(前月比、予想 −0.1% 前回 +0.3%)
15:00 🇩🇪 独 5月CPI改定値(前年比、予想 +2.6%)
23:00 🇺🇸 米 6月ミシガン大学消費者態度指数・速報値(予想 46.0 前回 44.8)
週末金曜は英国の経済指標に注目。 月次GDPが前月+0.3%から−0.1%へのマイナス転落予想で、ポンドの下値リスクとなる可能性。 ミシガン大学消費者態度指数は前回44.8から46.0へのわずかな改善予想ですが、依然として低水準。 米国消費者のマインドが戻ってきていないことが改めて確認される週末になりそうです。
■ 筆者のまとめ
土日の間に「イラン停戦合意・ビットコイン暴落・日銀1%利上げ報道」という三つの大きな材料が重なり、今週は相場のシナリオが複数交錯する展開になりそうです。
停戦による原油安がインフレを和らげるか、日銀の1%利上げが円高を演出するか、米CPIの4%台乗せがドルを押し上げるか。どれが勝つかによってドル円の動きはまったく違う方向になります。
今週のポイントは3つ。
- 米CPIが+4.2%以上に加速してFRBの利上げ転換論が本格化するか
- 日銀1%利上げ報道を受けてドル円が155円方向へ走るか
- イラン停戦の維持で原油が急落し、インフレ圧力が和らぐか
ビットコインと株が同時に下げる局面は、リスクマネーが一時的に行き場を失っているサインでもあります。
FXも含めて「嵐の前の静けさ」のような空気が漂っており、今週は方向が出たら素直に乗る姿勢が正解かもしれません。
ポジション管理だけは絶対に崩さないようにしましょう。
参考リンク
Bloomberg|日銀、今月会合で1%への利上げ検討
→ https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-06-04/TG1ELGT96OSG00
Bloomberg|イスラエルとイランの停戦合意と核交渉の行方
→ https://www.bloomberg.com/markets/currencies
Yahoo!ファイナンス|ビットコイン急落の構造をオンチェーンデータから読む
→ https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/43ff9cbc4eeb4ee6661f125ae8b878ccc6741c92










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