日本の国債金利が上昇しているのに円安が続く理由とは？初心者にもわかりやすく解説

「金利が上がれば、円が買われ円高になるのでは？」
そのように考える方が多いのですが、現在は円安に動いています。

本記事では、
「日本の国債金利が上昇しているにもかかわらず、円が買われない本当の理由」
について、できる限りわかりやすく解説してまいります。

---

そもそも、国債と金利にはどのような関係があるのでしょうか？

 国債の価格と金利には次の関係があります。

📌 安全な国債＝利息が低くなりやすい➡️現在スイスフランがまさにこの状態です。
（リスクが低いので、高い利息を払わなくてもお金が集まる）

---

日本の国債金利が上がっていても、それが“円高要因”にならない理由

日本の金利が上昇していると聞くと、「日本が注目されて資金が集まっているのでは？」
と思われるかもしれません。

しかし、実際にはその逆で、国債が“売られている”ために金利が上がっている という側面が強いのです。

つまり、「金利が上がる＝通貨が買われる」というわけではありません。

この点を理解していないと、FX相場を見る際に必ず混乱します。

---

円が買われない最大の理由

最大の理由は「日米金利差が縮まらないため」

為替相場、とくにドル円の値動きに強く影響するのは日本単体の金利ではなく、「日米の金利差」 です。

現在の状況を簡単にまとめると

このように、依然として差が非常に大きい状態が続いています。

日本がわずかに利上げしたとしても、アメリカの金利の高さの前では「誤差」にしかなりません。

結果として

という構図が続いているのです。

---

その他、円が買われない理由は主に4つ

❶経済成長率の弱さ

• 賃金が上昇しない
• 消費が伸びない
• 企業の体力が不足している

急激な利上げを行うと、国内企業が倒れるリスクが高まります。

❷国の債務が世界でもトップレベル

日本は債務残高が非常に大きいため、金利が上がると「国の利払い負担」が急増してしまいます。

❸海外に資金が流れやすい構造

NISAが導入され、企業や個人の資金は海外に向かいやすい傾向があります。

❹地政学リスクの増加

• 中国との距離
• 台湾有事の懸念
• 北朝鮮問題
  ➡️などから、かつての“有事の円買い”は起きにくくなっています。

---

なぜスイスは買われ、日本は買われないのでしょうか？

スイス・フランは今も「世界屈指の安全通貨」と呼ばれています。

スイスが買われる理由は以下のとおりです。

---

国債金利はどこでチェックする？

分かりやすい国債金利をチェックするサイトをまとめました✍️

• 世界の国債一覧（Investing.com）
  https://www.investing.com/rates-bonds/
• TradingView（チャート分析）
  日本10年国債：JGB10YR
  米10年国債：US10Y

---

筆者のまとめ

現在、為替市場では全面的な円安が続き、日本円の価値が悲しいほど低下している状況が続いております。

ドルについては、買われる局面で国債金利が上昇し、その相関関係が明確に表れますが、日本円には同じ動きが見られず、かつて「安全資産」と呼ばれていた立ち位置も徐々に失われつつあるように感じます。

今の相場は、単なる一時的な動きではなく、時代そのものが大きく転換している局面にあるように思います。

過去のデータや歴史が示す教訓を学びながらも、これから起こり得る未来のシナリオにも目を向け、両方の視点を持って慎重にポジションを取っていきたいと考えております。

---

参考リンク

• 国債って結局なんだ？ 円安の今こそ考えるお金の仕組み（note）
  https://note.com/mnbtauchi/n/nf7e0c60dce5b
• 「為替は金利差」が基本（日興アセットマネジメント）
  https://www.amova-am.com/guide/rakuyomi_basics/vol-03-07
• 円安はいつまで続く？（三菱UFJ銀行コラム）
  https://www.bk.mufg.jp/soudan/shisan/lp/column/105.html
• 円と国債の下落はなぜ起きるのか（ZAi FX!）
  https://zai.diamond.jp/articles/-/478892

---