先週は本当に盛りだくさんでした。
注目の米CPI、結果は前年比**+3.8%と予想(+3.7%)をさらに上回り、2023年5月以来の高水準。 PPIも予想を大きく超えるサプライズな伸びとなり、市場では「FRBが年内に利上げに転じるのでは」**という観測まで浮上し始めています。
ベッセント米財務長官が12日に来日し片山財務相と会談しましたが、為替について踏み込んだ発言はなし。 「円安阻止の強い姿勢は示されなかった」と市場に受け取られ、円売りが加速。 週後半の米中首脳会談(北京)も和やかな雰囲気でリスクオン・ドル買いを後押しし、ドル円は一時158円台に乗せました。
そして今週月曜(本日)、ドル円はさらに上昇し5連騰で159円手前まで到達。 4月30日の連休前と5月1・4・6日の連休中に、それぞれ5兆円規模の介入が実施されたと推計されており、その記憶が生々しい中でこの水準まで戻してきたことで、再介入への警戒が一気に高まっています。 SBI Securities
トレーダーrukaイラン情勢は停戦交渉が事実上決裂し、米国がテヘランへの港湾封鎖準備を進めているとの報道も。
原油は1バレル100ドル前後での高止まりが続いており、インフレ圧力の根は深いまま。
🗓 5/18(月)
🇨🇦 カナダ 休場
11:00 🇨🇳 中国 4月小売売上高(前年比、予想 +2.0% 前回 +1.7%)
11:00 🇨🇳 中国 4月鉱工業生産(前年比、予想 +6.0% 前回 +5.7%)
23:00 🇺🇸 米 5月NAHB住宅市場指数(予想 34 前回 34)
本日から2日間、G7財務相・中央銀行総裁会議がパリで開催。 為替介入に関する国際的な議論がどう進むか、パリから出てくる発言には要注意です。 特にベッセント米財務長官の発言次第でドル円が動く可能性があります。
中国の小売・鉱工業生産は前回からの改善が予想されており、結果次第で豪ドルや人民元に影響が出るシナリオも。
🗓 5/19(火)
🇹🇷 トルコ 休場
08:50 🇯🇵 日本 1Q GDP速報値(年率換算、予想 +1.7% 前回 +1.3%)
08:50 🇯🇵 日本 1Q GDP速報値(前期比、予想 +0.4% 前回 +0.3%)
10:30 🇦🇺 RBA 金融政策会合議事要旨
15:00 🇬🇧 英 3月失業率(ILO方式、予想 4.8% 前回 4.9%)
21:30 🇨🇦 加 4月CPI(前年比、予想 +3.1% 前回 +2.4%)
今週前半の最注目指標。
日本GDPは年率+1.7%予想と前回(+1.3%)からの加速を見込んでいますが、原油高による個人消費の下押しがどこまで数字に出るかが焦点。 もし予想を下回る弱い結果が出れば、日銀の追加利上げ時期の後ずれ観測が強まり、円売り圧力につながりやすい展開になります。 逆に予想以上に強ければ、日銀6月利上げ観測が一気に浮上して円買いに転じるシナリオも。 National Land Use Policy
カナダCPIも前年比+3.1%予想(前回+2.4%)と大幅加速。G7各国でインフレが根強い構図が改めて示されそうです。
🗓 5/20(水)
15:00 🇬🇧 英 4月CPI(前年比、予想 +3.0% 前回 +3.3%)
15:00 🇬🇧 英 4月コアCPI(前年比、予想 +2.6% 前回 +3.1%)
18:00 🇪🇺 ユーロ圏 4月HICP改定値(前年比、予想 +3.0% 前回 +3.0%)
27:00 🇺🇸 FOMC議事要旨(4月28・29日分)
深夜のFOMC議事要旨が今週最大の注目ポイントの一つ。
先週の米CPIが+3.8%という高水準だったことが判明した今、FRBが利上げに転じるかどうかをめぐる議論がどの程度進んでいたかが焦点となります。 タカ派的な議論が目立つ内容であればドル買いが加速し、ドル円が159円の介入ラインに向かうシナリオも。 次期FRB議長に承認されたウォーシュ氏は利上げ派として知られており、政策転換への地ならしが議事要旨から読み取れるか注目です。 National Land Use Policy
また引け後にはNVIDIA決算を控えており、AI・半導体の動向がリスクセンチメントに大きく影響します。
英CPIは前回+3.3%から+3.0%への鈍化予想。ここが予想より強ければポンド買い材料に。
🗓 5/21(木)
08:50 🇯🇵 日本 4月貿易収支(予想 −453億円 前回 +6,670億円)
08:50 🇯🇵 日本 3月機械受注(前月比、予想 −8.6% 前回 +13.6%)
10:30 🇦🇺 豪 4月雇用者数(予想 +1.50万人 前回 +1.79万人)
17:00 🇪🇺 ユーロ圏 5月製造業PMI速報値(予想 51.8)
17:30 🇬🇧 英 5月製造業PMI速報値(予想 53.0)
21:30 🇺🇸 米 新規失業保険申請件数(予想 21.0万件)
21:30 🇺🇸 米 5月フィラデルフィア連銀製造業指数(予想 18.3 前回 26.7)
22:45 🇺🇸 米 5月製造業PMI速報値(予想 53.5)
22:45 🇺🇸 米 5月サービスPMI速報値(予想 51.0)
欧米PMI一斉発表の日。
日本の4月貿易収支は前月の黒字+6,670億円から一転して赤字(−453億円)予想。 原油1バレル100ドル水準での輸入コスト増が直撃しており、構造的な円安圧力が数字で確認されることになりそうです。
米フィラデルフィア連銀指数は前回26.7から18.3への大幅低下予想で、景気の足元がじわじわ弱まっているサイン。 「インフレは強い、でも景気は鈍化」というスタグフレーション的な構図が改めて確認される一日になりそうです。
🗓 5/22(金)
08:30 🇯🇵 日本 4月全国CPI(前年比、予想 +1.6% 前回 +1.5%)
08:30 🇯🇵 日本 4月全国CPI(生鮮除く、予想 +1.7% 前回 +1.8%)
08:30 🇯🇵 日本 4月全国CPI(生鮮・エネルギー除く、予想 +2.2% 前回 +2.4%)
15:00 🇩🇪 独 1Q GDP改定値(前期比、予想 +0.3%)
15:00 🇬🇧 英 4月小売売上高(前月比、予想 −0.6% 前回 +0.7%)
17:00 🇩🇪 独 5月IFO企業景況感(予想 84.2 前回 84.4)
23:00 🇺🇸 米 5月ミシガン大学消費者態度指数・確報値(予想 48.2)
日銀の中立派・増一行審議委員が先週「景気下振れの兆しがはっきりとした数字で表れないのであれば、できる限り早い段階の利上げが望ましい」と発言しており、市場は日銀の早期利上げと年内複数回利上げへの期待を強めています。 この発言を受けた上でのCPI発表なので、コアCPIが予想を上回れば「6月利上げ」が現実として意識され始め、ドル円に大きな円高圧力がかかる可能性があります。 The Rio Times
一方で生鮮・エネルギーを除くコアコアCPIは+2.2%(前回+2.4%)と鈍化予想。 「ヘッドラインは強くても基調は落ち着いている」という結果なら、利上げ観測は盛り上がりきらない展開も想定内。
ドル円が159円近辺にある状態での日本CPI発表という、介入との絡みが最も複雑な局面になりそうです。
■ 筆者のまとめ
先週のCPI+3.8%→今週ドル円159円手前という流れで、「ドル円5連騰で159円手前、当面為替介入の有無に注目」という状況で今週をスタートしています。
4月30日と連休中の介入(推計合計約10兆円規模)が記憶に新しい中で、また同じ水準に戻ってきたという事実は重い。 財務省が「160円を超えさせない」という意思を持っているとすれば、159円台は再び実弾が飛んでくるラインです。
今週のポイントは3つ。
- 火曜GDP・金曜CPI:日銀6月利上げ観測が強まるか否か
- 水曜FOMC議事要旨:FRBのタカ派度合いの確認
- ドル円が159円台に乗せた瞬間に介入が来るか
方向感が出にくい週ですが、日本CPI次第で一気に動くシナリオもあります。 ポジションは軽めに、イベントをまたぐ時は特に注意してください。



北京で開催された米中首脳会談はトランプ・習近平両首脳が「中米はライバルではなくパートナーであるべき」と歩み寄りを見せ、和やかなムードで閉幕。
関税交渉への期待が高まりリスクオンとなり、ドル円の上昇をさらに後押しする形になりました。
一方でイラン情勢は真逆の動きです。 イランが米国の和平提案に回答を送付したものの、トランプ大統領がこれを一蹴。
停戦交渉は事実上決裂し、米国がテヘランへの港湾封鎖準備を進めているとの報道まで出ています。
原油は1バレル100ドル前後での高止まりが続いており、インフレ圧力の根本原因はまったく解消されていません。
米中は和解ムード、中東は緊張継続という二つの材料が同時に市場を動かしており、今週もこの構図は続きそうです。
参考リンク
Reuters|中東情勢と原油供給リスク
→ https://www.reuters.com/markets/commodities/
Bloomberg|ドル円・米国債利回り
→ https://www.bloomberg.com/markets/currencies
CNBC|FOMC議事要旨速報
→ https://www.cnbc.com/markets/










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