長らく止まっていたアメリカの指標が続々と発表されています。
昨日11/27の主要米国指標(失業保険・シカゴPMI・耐久財受注・ベージュブック)がありました。
アメリカ経済は「雇用の弱さ」「景況感の悪化」「消費鈍化」が同時進行し、減速モード入りが鮮明になってきています。
11月27日の経済指標
⭐️ 22:30 🇺🇸 失業保険継続受給者数(前週分)
- 継続受給者数(保険継続申請者):196.0万人(1,960,000人)
- 前週:195.3万人 → +0.7万人増
- 被保険失業率:1.3%(前週から横ばい)
初回申請は 21.6万件で4月以来の低水準ですが、継続受給者数が増えるということは仕事探しが長引き、労働市場の勢いが弱まっているサイン。
求人件数の減少や採用凍結が背景にあり、米国雇用の“弱さ”は数字にしっかり出始めています。
⭐️ 22:30 🇺🇸 耐久財受注(9月・前月比 / 輸送用機器除く)
- ヘッドライン(全体):前月比 +0.5%(前回:+3.0%)
- 輸送用機器除く(コア):前月比 +0.6%
ここは景気の中核となる設備投資の指標。
企業はまだ投資を止めていないため、「アメリカはまだ本格的な不況ではない」という評価につながります。
⭐️ 23:45 🇺🇸 シカゴ購買部協会景気指数(Chicago PMI・11月)
- 結果:36.3
- 予想:44.3
- 前回:43.8
→ 50を大きく割り込んでいて、シカゴ地区の景況感はかなり強い縮小圏に悪化。
0を割ると「景気後退」とされるPMIが、30台半ばまで急落。
これはリーマンショック級など、“強い縮小”の時に見られる領域です。→ 企業マインドが急速に冷え込んでいるということになります。
⭐️ 28:00 🇺🇸 ベージュブック(地区連銀経済報告・11月)
- 全体の景気
- 全米12地区の総括としては「前回からほぼ横ばい」
- 消費はさらに弱含み、高価格帯だけやや堅調
- 雇用
- 雇用はわずかに減少、半分くらいの地区で労働需要の弱まり
- 解雇よりも「採用凍結・補充のみ採用・自然減で調整」が中心
- 一部でAI導入による初級職の代替・新規採用抑制の報告あり
- 物価
- 物価は中程度のペースで上昇
- 関税や保険料・光熱費などコスト上昇が続き、マージン圧迫の声も
- 先行き
- 見通しは「大きな変化なしだが、減速リスクを意識」というトーン
ベージュブック:消費鈍化・雇用弱含み・AIによる採用抑制も
FRBが全12地区から集めた最新レポートでも、以下が共通点として浮き彫りになりました。
- 景気は「横ばい」だが momentum は弱い
- 消費が鈍化、特に中低所得層で顕著
- 雇用は「わずかに減少」
- 解雇よりも 採用凍結・ポスト削減 で調整
- AI導入で「初級職の代替」が目立ち始めた
→ 広い範囲で景気減速の兆候が見えている。
🇺🇸 いまのアメリカは“二極化”している
🔻 弱いアメリカ
- シカゴPMI急落
- 失業保険の継続受給者が増加
- ベージュブックで消費鈍化
- 企業の採用縮小が進む
🔺 強いアメリカ
- 耐久財受注がプラス
- 設備投資は続いている
- AI関連・ハイテク分野の投資は堅調
トレーダーruka現在のアメリカ市場は「経済は弱いのに、利下げ期待で株が上がる」という“ねじれ相場”だから、動きが荒くなっています。
筆者のまとめ
今回の4つの指標から見えるのは、アメリカが確実に「減速モード」に入っているということです。
ただし、“クラッシュ前夜”のような急激な悪化ではなく、静かに少しずつ弱っていくイメージです。
特に
- 求職が長引く人の増加
- PMIの40割れ
- ベージュブックでの消費鈍化
- 企業の採用凍結
これらは、いずれも景気後退の初期シグナルです。
しかしその一方で、AI関連の設備投資やハイテク需要がまだ残っているため、「完全なる不況」には落ちきっていないどっちつかずの状態です。
このちぐはぐさが、近のアメリカ市場の荒い値動きにつながっているし、為替(ドル円)のボラティリティも高まっています。










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