年末に確認!特定口座・一般口座・FXの税金の違いと確定申告のポイント

年内収支を把握し株とFXの税金の仕組みを解説する投資初心者向けアイキャッチ画像

年末が近づくと、「今年いくら稼いだか」だけでなく
**「いくら税金がかかるのか」**が気になってくる時期です。

特に投資をしている人は、

  • 株(特定口座)
  • FX(外国為替証拠金取引)

この2つで税金の仕組みが大きく違うことを知っておかないと、確定申告で戸惑ったり、思わぬ税負担になることもあります。

今回は、特定口座の株の収益とFXの税金の違いを、初心者の方にも分かりやすく整理します。


目次

国内証券会社の税金の仕組み

まず最初に|証券会社を開設するときに選ぶこと

国内の証券会社で口座を開設するとき、最初に 「どの口座区分で取引するか」 を選びます。

選択肢は主に次の2つです。

  • 一般口座
  • 特定口座

この選択で、税金の計算方法と確定申告の手間が大きく変わります。


一般口座とは?

一般口座は、売買益や税金をすべて自分で計算し、確定申告する口座です。

  • 年間の利益・損失を自分で集計
  • 税額も自分で計算
  • 確定申告は必須

取引回数が少ない人向けですが、税務の手間はもっとも多い口座です。


特定口座とは?

特定口座は、税金計算の手間を減らすための口座です。

証券会社が、

  • 利益計算
  • 損益計算
  • 税金計算

までを 自動で行ってくれます税金の計算の手間がなくほとんどの方は特定口座を選んでいます。


特定口座はさらに2種類ある

特定口座を選ぶと、次に 「源泉徴収あり」か「源泉徴収なし」 を選びます。


特定口座(源泉徴収あり)

仕組み

  • 利益が出た時点で
    👉 証券会社が税金を自動で差し引く
  • 税金はすでに納付済み扱い

ポイント

  • 原則、確定申告は不要
  • 税率は一律 20.315%

(内訳)
所得税:15%
住民税:5%
復興特別所得税:0.315%

👉 会社員・投資初心者にとって、いちばんラクな選択です。

トレーダーruka

特定口座(源泉徴収あり)で確定申告してしまった場合どうなる?
特定口座(源泉徴収あり)でプラス収益が出ている状態で確定申告をすると、「もう一度税金を払う」わけではありません。
すでに引かれている税金を、再計算して「調整」するのが確定申告の役割になります。

あえて申告する意味は?
特定口座(源泉徴収あり)でプラスでも、確定申告したほうが得なケースは普通にあります。
・株の損失繰越を使いたい
・他口座の株損失と通算したい
・医療費控除などで還付を受けたい
👉 こういうときは 申告=節税になることがあります。

特定口座(源泉徴収なし)

仕組み

  • 利益が出ても 税金は引かれず、そのまま口座に残る
  • 税金は あとから自分で確定申告して納付 する

ポイント

  • 確定申告が必須
  • 年内は手元資金を最大化できる
  • 損益通算や還付申告を自分で調整しやすい

👉 投資に慣れていて、税金管理ができる人向け。


損益通算・損失繰越はどの口座でできる?

株の取引で発生した損失は、
口座の種類に関係なく 一定の条件を満たせば活用できます。

  • 同じ年の利益と 損益通算が可能
  • 損失は 最長3年間繰り越し可能

違いは、「自動でやってくれるか」「申告が必要か」 だけです。

トレーダーruka

損益通算とは
同じ年に出た 利益と損失を相殺して、課税対象を減らす仕組み です。
たとえば、
A株:+50万円
B株:−30万円
この場合、
課税対象は 50万円 − 30万円 = 20万円 になります。


特定口座(源泉徴収あり)

  • 同一口座内の損益通算:◯(自動)
  • 損失の3年繰越:◯
    ※繰越する場合は 確定申告が必要

👉 ふだんは何もしなくてOKだが、損失を翌年以降に活かしたい場合は申告が必要。


特定口座(源泉徴収なし)

  • 損益通算:◯
  • 損失の3年繰越:◯

👉 毎年確定申告が前提。計算自体は証券会社がまとめてくれる。


一般口座

  • 損益通算:◯
  • 損失の3年繰越:◯

👉 確定申告が必須。計算・集計・証明はすべて自己責任。

トレーダーruka

特定口座(源泉徴収なし)と一般口座は、どちらも確定申告が必要ですが
税金計算を証券会社がしてくれるかどうかが決定的に違います。


FXの税金の仕組み

FXは「雑所得」

FXの利益は申告分離課税の雑所得として扱われます。

税率

株と同じく20.315%(一律)


株とFXの決定的な違い

①確定申告が必須

FXは、

  • 利益が出たら
  • 必ず自分で確定申告

しなければなりません。証券会社は税金を引いてくれません。


②損益通算できる範囲

ここ、かなり重要です。

内容できる?
株 × 株
FX × FX
株 × FX

👉 株の利益とFXの損失は相殺できません
👉 完全に「別枠」で計算されます


FXの損失が出た場合は?

FXも、

  • 確定申告をすれば
  • 3年間の損失繰越が可能

ただし、FX同士でしか相殺できない点は注意が必要です。


ケース①

  • 株:+50万円
  • FX:−30万円

❌ 相殺不可
👉 株の50万円に対して税金がかかる


ケース②

  • FX:+100万円
  • FX:−40万円(別口座)

◯ 相殺可能
👉 課税対象は60万円


今年のうちに整理しておきたいポイント

  • 株(特定口座・源泉徴収ありの場合)
    • 基本は放置でOK
    • 損失がある年は「申告したほうが得」な場合あり
  • FX
    • 年内損益を必ず把握
    • 経費(通信費・ツール代など)も整理
    • 確定申告前提で動く

筆者のまとめ

投資の税金は「税率が同じ=同じ扱い」ではありません。

特定口座の株は“自動処理”、FXは“自己管理”。

年末の今だからこそ、
今年の収益と税金を一度きちんと整理しておくことが、
来年の資産形成をラクにしてくれます。

この税金大国の日本、税金の仕組みを理解することが投資家の一歩といっても過言ではありません。

大きく稼ぎ、賢く納める。このブログでまた分かりやすく解説していきます。


参考リンク

国税庁:特定口座制度(源泉徴収あり・なしの扱い)

国税庁:上場株式等の譲渡損失の損益通算・繰越控除(3年間)

国税庁:株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税の基本)


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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
これからの時代、情報や選択肢があふれる中で、資産形成の第一歩を踏み出すためのヒントを届けたいと考えています。
多くの方が安心して未来を描けるよう、金融リテラシー向上の一助となるブログを目指しています。

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