なぜ日本では国民が首相を選べないのか?総裁選の仕組みと首相・大統領の違い

「総裁選で決まる日本の首相」 「首相と大統領の違い」 「議員票と党員票の仕組み」

10月4日本日、自民党総裁選によって新しい総理大臣が決まります。

しかし多くの国民が抱く疑問は「なぜ日本はアメリカのように国民が直接、首相を選べないのか?」ということです。

今回の記事では、首相と大統領の違い、各国の政治制度、日本の総裁選の仕組み、そして候補者が首相になった場合の方向性を整理します。

トレーダーruka

本日13:00から総裁選の投開票が開始する予定とされています。
総裁選の仕組みなど整理してみましょう。


目次

日本はなぜ首相を国民が選べないのか

日本は 「議院内閣制」(イギリス型) を採用しており、国民が直接選ぶのは国会議員です。
その国会議員の多数派から首相が選ばれる仕組みで、結果として与党の党首が首相になるケースが大半です。


📜 歴史的な背景

  • 日本は戦後、占領下で「イギリス型の議院内閣制」をモデルに憲法を作りました。
  • 当時は「軍国主義の反省」から、大統領のように強力な権限を持つリーダーを作ることに慎重だった。
  • そのため「権力を分散させる」仕組みとして、議院内閣制を採用。

🇺🇸 アメリカとの違い

  • アメリカは 大統領制 を採用しています。
  • 国民が直接、大統領を選ぶ仕組み(実際には州ごとの選挙人団を通すけど、国民投票に近い形)。
  • 大統領は「行政府のトップ」であり、議会とは独立しています。

日本がアメリカのように国民投票で首相を選ばないのは、

  • 「議院内閣制を採用しているから」
  • 「戦後に強すぎるリーダーを避けるための制度設計」

という2つが大きな理由です。


首相と大統領の違い

  • 首相(総理大臣)
    • 国会議員から選ばれる。
    • 議会多数派と一体で動く「調整型リーダー」。
    • 議会に不信任を出されれば辞任する必要がある。
  • 大統領
    • 国民の直接選挙で選ばれる。
    • 議会から独立して強い権限を持つ「実行型リーダー」。
    • 軍の最高司令官を兼ねることが多い。

大統領制の国と首相制の国

  • 大統領制の国
    • アメリカ、ブラジル、メキシコ、韓国、フィリピン、インドネシア など。
    • 国民が直接選ぶため、リーダーの正統性が強い。
  • 首相制の国(議院内閣制)
    • 日本、イギリス、ドイツ、イタリア など。
    • 政党の議席数に応じて首相が決まるため、政治の安定性が高い。
  • ハイブリッド(半大統領制)
    • フランス(大統領と首相が両方いる)。

本日の総裁選の仕組み ― 議員票と党員票

  1. 議員票
    • 自民党所属の国会議員(衆参合わせて約370人前後)が、1人1票を持っています。 約295票 が議員票。
  2. 党員票(党友票)
    • 全国の党員・党友が投票した結果を比例配分し、議員票と同数の 約295票 に換算されます。

※自民党所属国会議員数は選挙や離党・辞職などで変動します。

👉 したがって、一次投票では議員票と党員票は「同じ数」だけ存在しているので、理論上はバランスしています。

一次投票では 議員票295人+党員票295票=約590票 で争われますが、過半数に届かなければ上位2人で決選投票へ。
決選投票は「議員票だけ」で行われるため、最終的には党内の議員の支持が決定打となります。


候補者が首相になった場合の方向性

  • 小泉進次郎氏
    報道では国民人気が高いとされているがネットとTVでは反応が真逆。環境政策や社会改革を重視。議員票に強い。
    → 就任すれば、市場は「財政拡張」より「環境・規制改革」方向と読み、やや円高傾向か。
  • 高市早苗氏
    保守色が強く、防衛費増額や安全保障政策に積極的。党員票で強さ。
    → 防衛関連株が上昇する一方、財政負担増で円安圧力も。
  • 林芳正氏
    外交経験豊富で対米関係に強み。旧岸田派から支持。
    → 国際協調路線を重視し、市場は安定的。ただし経済改革色は薄め。
  • 茂木敏充氏
    ベテランで党内調整力に定評。経済政策は安定重視。
    → 無難な運営で市場への影響は限定的。円相場は大きく動きにくい。
  • 小林鷹之氏
    若手で経済安保政策に強み。成長戦略を強調。
    → 経済安保・技術分野に投資促進。新興株に追い風となる可能性。

筆者のまとめ

本日13時から自民党総裁選の投開票が行われ、決選投票も含めれば数時間で次の総理大臣が決まる見通しです。

まさに日本の大きな転換点であり、週明けの株価や為替に影響を与える可能性も高いため、投資家としても慎重に注視する必要があります。

ただ、今回の記事は経済や相場というよりも、日本の政治の仕組みそのものについて触れました。

正直に言えば、現在の投票制度や「党内選挙」という形に違和感を覚えています。紙で投票し、党内で決めるという仕組みは、もはや現代社会と乖離しているのではないでしょうか。

今は多くの人がスマートフォンを持ち、SNSを通じて即時に意見を表明できる時代です。

例えばですが、もし選挙当日に「今日は投票日です」と通知が届き各候補者の政策を確認しながら投票できる仕組みが整えば、より広く国民の声を反映できるはずです。

また、メディアによる偏った報道ではなく、スマホ上でリアルタイムに民意を可視化できる仕組みを導入することで、政治と国民との距離は縮まるでしょう。

日本はAIやシステム開発でも世界に遅れを取っていると言われています。

このまま従来の仕組みに固執していては、時代の変化に取り残され、国力の衰退を招きかねません。

敗戦後の影響を受けた政治の仕組みそのものをアップデートし、現代に合った制度を導入していくことこそが、未来に向けて必要な改革だと感じています。


🔗 参考リンク

  • 自民党公式「総裁選スケジュール」:jimin.jp
  • 総裁選は 13時投票開始・決選は15時20分ごろ判明予定jimin.jpニュース
  • 投開票は10月4日午後、夕方までに結果発表見込み: ロイター


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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
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