「ISM製造業PMI」「PMI」「ISM非製造業PMI」ってなにが違うの?|指標の見方を初心者にも分かりやすく解説!!

「PMI」とはどんな指標?初心者にも分かりやすく解説

指標ってたくさんありすぎて分かりづらいし、トレード初心者だとなにを見たらいいかわからないですよね。

私も最初は大きく動く指標とあまり動かない指標がどれなのか把握していなくて、指標の日はチャートを瞬きせず見ていました。

今回は名前がややこしい「ISM製造業PMI」「PMI」「ISM非製造業PMI」に初心者にも分かりやすくついて解説します。


目次

PMIってなに?

トレーダーruka

そもそもPMIって??
PMI(Purchasing Managers’ Index:購買担当者景気指数)は「景況感を数値化する仕組み」のこと。
世界中の国や地域で、**購買担当者にアンケートをとる同じルール(調査手法)**を使って計算します。

👉 つまり「PMI」という言葉は、最初から特定の数値を意味しているのではなくて、
『購買担当者にアンケートして指数化する仕組み』の総称なんです。

✅ PMIの調査手法(ざっくり)

購買担当者に毎月質問します。例えば

  • 新規受注は増えましたか?
  • 生産量は増えましたか?
  • 雇用は増えましたか?
  • 仕入れの納期はどうですか?
  • 在庫はどうですか?

それぞれ「増えた・変わらない・減った」で答えてもらい、

  • 「増えた」回答の割合
  • 「変わらない」回答の割合
  • 「減った」回答の割合

を使って計算 → 最終的に 0〜100のスコアに変換したものが「PMI」です。


ISM製造業PMI(アメリカの製造業版)

  • 発表時間(日本時間)
    毎月第1営業日 23:00(夏時間)/翌0:00(冬時間)
  • 対象
    アメリカ国内の製造業(自動車、機械、電子部品、化学、食品、繊維などモノづくり全般)
  • 目的
    製造業の景気動向を把握。アメリカ経済の“先行指標”としてFRBや投資家が注目。
  • 基準の見方
    • 50以上:拡大
    • 50未満:縮小
    • 55以上:強い拡大
    • 45〜50:緩やかな縮小
    • 45未満:深刻な縮小
トレーダーruka

製造業という名前の通り、アメリカ国内のものづくりの景気動向を購買担当者にアンケートして数値化しています。


ISM非製造業PMI(サービス業PMI)

  • 発表時間(日本時間)
    毎月第3営業日 23:00(夏時間)/翌0:00(冬時間)
  • 対象
    アメリカ国内の非製造業(小売、金融、IT、観光、運輸、医療、不動産、建設サービスなど)
  • 目的
    経済全体の約7割を占めるサービス業の実態を測る → アメリカ景気の“本体”を映す鏡。
  • 基準の見方
    • 50以上:拡大
    • 50未満:縮小
    • 55以上:サービス業好調
    • 45〜50:鈍化
    • 45未満:急速な縮小
トレーダーruka

こちらはアメリカ国内のサービス業のみを景気動向を購買担当者にアンケートして数値化しています。

アメリカの企業の多くは海外に工場があり、アメリカ国内の景気はサービス業が70%とほとんどを占めています。非製造業はアメリカの景気に直結するので投資家は注目しています。


S&PグローバルPMI(国際比較用)

  • 発表時間(日本時間)
    毎月22:45(夏時間)/23:45(冬時間)
    ※速報値(Flash)→月末、確報値(Final)→翌月初
  • 対象
    世界各国(米国、欧州、日本、中国など)で共通調査。製造業PMI・サービス業PMI・コンポジット(総合)PMIを発表。
  • 目的
    各国を横並びで比較できる国際基準の指数。速報性が高く、市場が最初に反応。
  • 基準の見方
    • 50以上:拡大
    • 50未満:縮小
    • 55以上:景気が力強い
    • 45〜50:弱い縮小
    • 45未満:不況水準
トレーダーruka

ISMのPMIはアメリカ国内ですがS&PのPMIは国際的な市場調査を数値化しています。


S&PグローバルPMIは「速報値」と「確報値」が発表される

  • 速報値(Flash PMI)
    • 月の途中で出る「予備データ」。
    • アンケートが全部集まる前に、回答の約80%くらいを使って先に発表する。
    • 速報性重視で、市場はまずこれに反応する。→投資家がいち早く景気を知れる。
  • 確報値(Final PMI)
    • 月末〜翌月初に出る、最終的にすべての回答を反映させたデータ。
    • 確定値なので、その後は修正されない。

👉 例えば欧州やアメリカのS&PグローバルPMIは、**速報値(Flash)→確報値(Final)**の順で月2回発表されます。

ISMのPMIS&PグローバルPMIの違いはこの速報にあります。

ISMのPMIは速報を出さず、いきなり確定値を出します。


2025年9月2日のPMI発表の内容

1. S&Pグローバルの最新「米国コンポジットPMI」(速報値)

2. ISM製造業PMI(最終値)

  • 数値:48.7(前回47.0)
  • 読み方:50未満=縮小。依然として製造業は「縮小トレンド」。
  • 主なポイント

【2025年9月】ISM・PMI 結果まとめ

指標名数値状況と意味
S&Pグローバル コンポジットPMI(速報)55.4米国経済全体が強い拡大トレンド。製造・サービスとも成長。8か月ぶりの高水準。
ISM製造業PMI(確定値)48.7製造業は縮小基調。ただ、新規受注に改善の兆しあり。製造業特有のコスト上昇懸念継続。

筆者の考え✍️

わたしはPMI指標はこのように捉えています。

S&PグローバルPMI=世界共通のものさし。各国の景気を横並びで比較でき、速報性が高い。

ISM製造業PMI=アメリカの工場の元気度チェック。発表は毎月第1営業日。

ISM非製造業PMI=アメリカのサービス産業の健康診断。毎月第3営業日に発表。

今回のPMIの結果を見て感じたのは、**「数字と実際の消費者の体感にはズレがあるのではないか」**ということです。

サービス業は依然として好調と出ていますが、私たち消費者からすると、物価高やサービス料金の上昇で「景気が良い」という実感は持ちにくいのが現実です。

インフレが長引く中で、数字上の拡大と、消費者が日常で感じる生活の苦しさには乖離があるように思います。

また、新規受注が7か月ぶりに拡大したとはいえ、これは一時的な持ち直しにすぎない可能性もあります。

関税問題によるコスト上昇や、グローバルな供給網の制約は今後も製造業に重くのしかかるでしょう。

一方で、AI関連部品や次世代産業への投資が製造業を支えているのは確かで、アメリカ経済の底力を感じる部分もあります。

つまり「強さと弱さが同居している」のが今の米国経済の姿だといえるでしょう。

雇用統計の時にも感じることですが、数字の強さがそのまま国民の豊かさを意味するとは限りません。むしろ、高所得者層と低所得者層の格差がさらに広がっているように見えます。

表面的にはサービス業が拡大していても、現場で働く人々や消費者の実感が追いついていないのではないか。

今回のPMIからは、そんなアメリカ経済の二面性が浮かび上がったように思います。


参考記事



「PMI」とはどんな指標?初心者にも分かりやすく解説

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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
これからの時代、情報や選択肢があふれる中で、資産形成の第一歩を踏み出すためのヒントを届けたいと考えています。
多くの方が安心して未来を描けるよう、金融リテラシー向上の一助となるブログを目指しています。

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