3連休明けの相場がどう動くのか投資家たちは揺れ動いていると思います。
そこで今回は10月に入ってからの日本とアメリカの現状と課題点、相場の動きを整理してみました。

来週の相場にお役に立てたら嬉しいです。
🇯🇵 日本の現在の状況
💼 政治の足並みの乱れ
10月4日、自民党の総裁選で高市早苗氏が新総裁に選出。
市場では「サナエノミクス」への期待から円安・株高が進み、一時は「アベノミクス再来」とも言われるほどのリスクオンムードが広がりました。
- 連立を組んできた公明党が離脱
- 国会の首班指名が遅れ、政治空白が発生
- 野党が連立を組んで次期総理が不透明に
その結果、為替市場では高市氏への期待上げの円安が後退し円の巻き戻しで円高に。
💴 日銀の動き
今月の日銀会合に向けて利上げリークがあるのではと投資家たちはみていましたが、特に動きはなく急激な過度な円安にも言及はありませんでした。
しかし年内の利上げ観測から見ても今月利上げをしないと利上げタイミングはさらに難しくなりどっちつかずの曖昧さが残ります。
今月サプライズがあれば大きく相場は円高に傾くと予想されます。



今の日本は、政治も経済も足並みが揃っていない状態です。
🇺🇸 アメリカの現在の状況
🇨🇳再び関税戦争
10月11日(土)の早朝、トランプ大統領が中国製品に100%の追加関税を発表。
これを受けてドル円は急落し、**151円前半まで下落(円高方向)**しました。
今回の対象は、主にEV(電気自動車)・半導体・ソフトウェア・レアアース関連。
これらは中国が国家戦略として強化している分野であり、アメリカが技術覇権を維持するための防衛措置とも言えます。
ただし、100%の関税というのは極めて強硬。
これは単に価格を上げるだけでなく、供給網を分断し、インフレを再燃させる危険性を伴います。
💣 政府閉鎖と財政危機
今、アメリカでは政府閉鎖(Government Shutdown)が発生中。
議会が予算案に合意できず、一部の行政機関が資金不足で業務停止となっています。
- 国債残高は35兆ドル突破
- 利払いだけで年間1兆ドル
- 雇用統計などの発表も延期
過去の政府閉鎖解除では、下落した為替や株が反転し急騰することがありましたが、現在は他にも課題が多く相場がどうなるのか予測ができない状態です。
💰追加利下げ観測は市場で織り込まれている
- FOMC議事録によれば、参加者の多くが年内さらなる利下げを支持する傾向を示しています。
- ドット・プロット(FOMCメンバーの見通し図)では、2025年末に利下げを複数回行って 3.5〜3.75%水準 まで持っていくという予測も見られます。
- 一部のFRB関係者(例:ニューヨーク連銀のウィリアムズ氏)は、労働市場の鈍化リスクを理由にさらなる利下げ支持を表明しています。
つまり、市場心理としては「利下げ期待」が既にかなり織り込まれている状態です。
⚖️ 日米の政策が逆行する時、市場は“方向感”を失う
観点 | 日本 | アメリカ |
---|---|---|
金融政策 | 利上げの可能性(円高要因) | 利下げの可能性(ドル安要因) |
政府の姿勢 | 円安容認(輸出支援) | 関税発動(インフレ要因) |
政治状況 | 政権空白・不透明 | 政府閉鎖・混乱 |
為替への影響 | 理論的には円高方向 | 理論的にはドル安方向 |
現実の相場 | それでも円安が進行 | それでも株高が続く |
両国ともに「理論」と「現実」が反対に動いており、
政策もマーケットも足並みが揃っていないのが現状です。
💬 筆者まとめ
- 日本では、日銀と政府が逆方向を向き、政治が止まっている
- アメリカでは、FRBの金融政策とトランプ政権の経済政策が真逆
- 世界全体が「理屈どおりに動かない相場」に突入している
今の相場は、“どちらの方向にも行きかねない”時期だと考えます。
日本もアメリカも、内部で政策が噛み合っておらずどちらにも大きく相場が動きそうな報道や問題点があります。
こういう方向感を見失った相場では、焦って動くほど損をしやすい。
だからこそ一旦安全資産へと金が急騰しているのかもしれません。
一度、流れが定まり、政策と市場が一致して動き出すまで、資金を守る姿勢が求められます。
📚 参考リンク
- Reuters:「Fed should be cautious due to inflation risks, Barr says」
FRBのバール理事がインフレリスクを理由に追加利下げに慎重姿勢を示した発言。 - Bloomberg:「トランプ氏、中国製品に100%の追加関税を発表」
2025年10月11日付。トランプ政権が中国製EVや半導体製品への追加関税を発表し、市場が急反応。 - 共同通信:「公明党が連立離脱を正式表明、首班指名に影響も」
公明党が自民党との連立解消を発表し、政局不透明感が強まる。 - 日本銀行:「金融政策決定会合 日程と議事要旨」
日銀が月末に予定している金融政策決定会合のスケジュールと議事要旨公開ページ。




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