【8月7日関税発動】関税とは何か?これまでの関税の流れと日米関税交渉まさかの“15%上乗せ”の衝撃

2025年8月7日発動の日米関税とその影響を解説

関税交渉が合意したはずなのに日米の理解にズレがありまた問題になっています。

せっかく合意したのに文書もなく不安なまま、昨日関税発動日を迎えました。

国会の予算委員会では各野党から不透明な関税合意への追及がありましたが、石破首相一向は合意は上手くいっていると楽観視していました。

そこで今回は関税ってなんなの?なんでこんなことになっているの?という世間の疑問をわかりやすくまとめて解説してみました。

トレーダーruka

日本の経済に直結する関税。このニュースはスルーできないね。


今回の記事のポイント

  • 2025年8月7日に発動された「15%相互関税」をめぐり、米国と日本で認識が食い違う事態に。
  • 日本側は「15%関税」だと理解していたが、実際は既存関税に15%を上乗せする内容だった。
  • 今回は、関税の基礎から日米交渉の流れ、自動車や他産業の影響、そして為替への影響まで解説。

一見難しい話に感じますが、私は日本国民の生活に直接影響があると考えしっかりと理解する必要があると思っています。今回はわかりやすく関税について解説するのでぜひお読みください。

車関税

「米国は日本車に“相互関税”として15%を上乗せする方向で調整している」 —https://www.reuters.com/business/japan-presses-us-auto-tariff-cut-seeks-clarification-other-levies-2025-08-07/Reuters(2025年8月7日)


インフレについて考える
目次

①関税とは何か?基礎解説

関税とは、外国から輸入する商品やサービスに対して国が課す税金のことです。

関税には大きく分けて3つの役割があります。

  1. 国内産業の保護
    • 海外製品が安すぎると、国内企業が競争に負けてしまいます。
    • 関税をかけて輸入品の価格を上げ、国内企業が生き残れるようにします。
  2. 財源の確保
    • 輸入に税金をかけることで、国の収入源になります。
    • 昔は消費税がなかったため、関税が国の主要な税収でした。
  3. 外交・交渉カード
    • 関税を引き上げたり下げたりすることで、貿易交渉を有利に進めることができます。
    • 今回の日米の「15%上乗せ」問題も、この交渉の一環です。
トレーダーruka

例えば、海外からの安いリンゴがスーパーに並んでいるとします
状況:ニュージーランドから、見た目も味も良いリンゴが1個50円で日本に輸入されて並べられています
問題:日本の農家が作るリンゴは、労働コストや土地代が高く、1個100円で売らないと採算が取れません
結果:安い輸入リンゴばかり売れて、国内農家が廃業 → 国産リンゴがほぼ消えることになります
関税の役割:輸入リンゴに50円の関税をかけて販売価格を100円にし、国内産業が衰退しないよう関税をかけて公平に競争できるようにします


②これまでの関税交渉の流れ(時系列)

日付出来事
2025年4月米国が自動車に25%関税(セクション232)発動
2025年7月23日日米間で自動車関税を27.5%→15%に引き下げる合意(発動時期は未定)
2025年8月7日「15%相互関税」が発動。しかし米側は既存関税に15%を上乗せと解釈、日本側と食い違い発覚
2025年8月7日〜赤沢大臣が米側に修正と返金を要求、米側も対応を約束

交渉文書も交わさず条件が有耶無耶なまま関税が発動されてしまいました。

最新のニュースでは多く支払った関税分は修正と返金してもらうと報道されていますが、果たしてその話も実際にはどうなるかわかりません。

赤沢大臣は9回も渡米し交渉が上手くいっていないように思いました。そんな中、参院選が終わり自民党大敗の時に関税15%で合意できたと、タイミングよくニュースが出てきました。特にトヨタなど自動車産業が日本にとって大きな収益につながるので関税は抑えたい思惑があり、一時は朗報ニュースとして取り上げられました。

しかしこの上乗せが訂正されないとしたら、例えば元々牛肉は26.4%の関税がかかっていますが、4月の関税発動でさらに10%上乗せされ現在36.4%になっています。アメリカの計算では8月7日さらに5%がプラスされ(トータル15%上乗せ)41.4%の関税がかけられてしまうという、、、全く日本にとっては良いニュースではありません。

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スタッキング(上乗せ)とは?
今回問題になっている「15%上乗せ」は既存の関税の上にさらに追加する方式です。
例:もともと10%の関税 → 「15%上乗せ」で25%になる。
toやbyの単語の違いから上乗せを認識できなかったのではと言われていますが交渉に携わる政府の通訳の方が間違えることはあり得るのでしょうか?文書がないことも不審に思います。

③自動車関税への影響

先ほどもお伝えしたように関税交渉で注目されていたのは特に自動車関税でした。自動車は日本を代表する産業です。

関税の上昇インパクト

従来は乗用車の関税が2.5%でしたが、トランプ政権の関税強化で一時的に25%に引き上げられました。
その後、7月の貿易協定では「関税15%」と日本側は理解していましたが、米国側は「15%を上乗せする」という解釈を示しています。

関税15%の場合

計算式:輸出額 × 15%

  • トヨタ:9.3兆円 × 0.15 = 1兆3950億円(約1.4兆円)
  • ホンダ:3兆円 × 0.15 = 4500億円

15%上乗せはこれ以上の損失となるので、市場にかなりのインパクトを与えると考えられます。

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わずか数%の関税変化でも、自動車のような高額商品では企業の利益に巨額の影響を与えます。


自動車以外の関税状況

分野関税内容・現状
鉄鋼・アルミ50%の高関税(3月発動)、6月に家電製品にも拡大
銅(Copper)8月1日より50%関税開始
半導体・チップ最大100%関税案、国内投資企業は除外条件あり
一般貿易品最低15%関税(国別で異なる)

④関税と為替の関係

  • 他国が日本に関税をかける → 輸出が減り、円需要が減少 → 円安になりやすい
  • 日本が関税をかける → 輸入が減り、円需要が増加 → 円高になりやすい

結論、現在円安になりやすい相場になっています。

円安促進▶︎物価高につながるので、関税交渉の今後の結末は人ごとではありません。

ポイントサイト

⑤関税交渉:他国の最新動向まとめ

1. ワシントン発:グローバルに広がる関税の波

  • 2025年8月7日より、米国は多数の国への関税を発動。平均関税率は18.6%と、1933年以来の高水準に達しました。テクノロジー企業には一部例外もあるものの、世界中に影響が広がっています。The Washington Post
  • 約60か国が新たな関税に対応する必要に迫られており、中には**スイス(39〜41%)やブラジル(最大50%)**が含まれており、貿易を基盤とする国々にとっては衝撃です。ブラジルはWTOに訴え、インドは「黒幕行為」と批判しています。一方、EUは15%に関税を抑える交渉に成功しています。ガーディアン

2. 関税当事国ごとの戦略と動き

国・地域関税状況および交渉状況
EU15%に抑える交渉成功。報復措置は一時停止ファイナンシャル・タイムズ+2ニューヨーク・ポスト+2
日本・韓国・英国・フィリピン・ベトナム・インドネシア合意により関税はそれぞれ15%(日本・韓国)、10%(英国)、19%(フィリピン・インドネシア)、20%(ベトナム)に設定Fidelityザ・フールウィキペディア
カナダUMSCA非対象品に35%の関税適用見込み。交渉継続中Fidelityウィキペディア
中国関税率は最大で55%(基礎10%+既存・追加)に。90日トラスト期間経過後は未確定World Economic ForumウィキペディアIndiatimes
ブラジル最大50%の関税を発動、WTOに提訴。詳細な除外規定ありウィキペディア
インド約25〜50%の関税影響。関税が経済への大きな打撃との懸念ありThe Economic Times+1ウィキペディア
メキシコ一部譲歩あり。USMCA下の自動車などには一部免除marketwatch.comウィキペディア

✍️ まとめ・筆者の視点(文案)

今回の日米関税交渉を追いながら、私はトランプ大統領の交渉姿勢には二つの大きな軸があると感じています。

ひとつは、米国の国債金利の動きへの配慮です。
金利が上昇局面に入ると、市場や景気への悪影響を避けるために緩和的なメッセージを打ち出し、逆に金利が下がってくると再び強硬な姿勢を取る。この振る舞いは、関税というカードを為替や金融政策と連動させる意図があるように見えます。国債金利の動向を追うことで、今後の交渉の方向性や市場の反応もある程度読み解けるのではないでしょうか。

もうひとつは、中国への対抗姿勢です。
直接的な関税だけでなく、中国と親しい国や、中国と貿易・投資関係を深めている国に対しても厳しい関税を課している印象があります。ここには単なる貿易摩擦以上の、地政学的な戦略や牽制の意図があるように感じます。

トレーダーruka

今回の15%「上乗せ」問題は、数字以上にその背景にある思惑を読み取ることが大切です。関税は単なる経済政策ではなく、政治・金融・地政学が絡み合った複合的な駆け引きの道具。今後も表面の数字だけでなく、その裏にある意図や国際情勢を注視しながら、自分の資産やビジネスを守る判断をしていきたいと強く思います。

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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
これからの時代、情報や選択肢があふれる中で、資産形成の第一歩を踏み出すためのヒントを届けたいと考えています。
多くの方が安心して未来を描けるよう、金融リテラシー向上の一助となるブログを目指しています。

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