日本は約30年間「デフレ」と呼ばれる経済停滞期にあり、物価も賃金もずっと上がらない状況が続いてきました。
しかし2022年頃から、日本でも物価が上がり始め、”インフレの時代”に突入したという声が多く聞かれるようになりました。
でもこの“インフレ”はいつまで続くのでしょうか?
または、すぐにデフレに戻ってしまうのでしょうか?
今回は過去のサイクルからどのような流れになるのかみていきましょう。
💰 「インフレ」と「デフレ」って?
| 経済の状態 | 何が起きている? | 例えると… |
|---|---|---|
| 📈 インフレ | 物の値段がどんどん上がる お金の価値が下がる | みんなが欲しがり、値段が上がる状態 |
| 📉 デフレ | 物の値段が下がっていく お金の価値が上がる | 人気がなくなり、売るために値引きしていく感じ |
🔁 インフレとデフレはどっちが長く続く?
| 状態 | 変わるまでにかかる期間(目安) | ポイント |
|---|---|---|
| インフレ → デフレ | 5〜10年くらい | 金利を上げるなど、対策すれば早く止まることも |
| デフレ → インフレ | 10〜20年以上 | 物価を上げるのはとても時間がかかる。 |
トレーダーruka過去を見ると「約10〜20年ごとにインフレとデフレが入れ替わる」傾向です。
日本はどんな状態?
日本は、1990年代のバブル崩壊からずっと30年間デフレ状態でした。
デフレは「物が安くなるからラッキー」と思うかもしれないけど、実は「お給料も上がらない」「景気が悪くなり、値下げ競争をするしか商品が売れない」状態で、長く続くと負のスパイラルに陥り景気回復が難しい現象なんです。
🌏現在世界はインフレ中
コロナ禍で世界中が大規模な金融緩和や給付金政策を行った結果、
アメリカ・欧州・日本など多くの国で物価が一斉に上昇し、インフレが起こりました。
ところが、例外もあります。
現在もデフレのインドネシア🇮🇩
コロナ禍でもインドネシア政府は、社会保障や中小企業支援を目的にGDP比約2.5%規模の給付・減税・低金利政策を実施しました。
しかし、大きな「現金給付」や「消費刺激策」は限定的で、国内の購買力が戻らなかったのです。
その一方で、政府が電力料金を割り引くなど**“物価を抑える政策”も実施**しました。
- 給付が大規模に消費につながらなかった
- 価格を引き上げる要因が少なかった
政策の結果2つの作用で、インフレに転じなかった=むしろデフレに近づいたと言われています。
🇯🇵 日本はどうやってデフレから抜け出した?
日本では、コロナ禍をきっかけに
- 海外の供給混乱 → 輸入価格が急上昇
- 円安進行 → エネルギーや原料のコスト高
- 政府や企業が価格転嫁に踏み切る
という流れで、長らく続いたデフレから一気にインフレへ転じました。
🔄 経済サイクルの「変わり目サイン」は?
📉 インフレ → デフレに変わるときのサイン
物価が高騰し国民はお金を使わず経済が冷え込んでくる
- 企業が商品を安く売り始める
→ 出荷価格(PPI)が下がる - 長期の金利より短期の金利が高くなる
→「景気が悪くなりそう」という市場の予想 - 原油や穀物の価格が下がる
→ 世界的な需要が低下 - 失業者が増える、賃金が上がらない
→ 仕事や収入の不安から買い控えが増える
📈 デフレ → インフレに変わるときのサイン
経済に“熱”が戻り、物価が上がり始める状況
- お給料が上がり始める/人手不足になる
- ものの売れ行きがよくなり、供給よりも需要が増える
- 政府や中央銀行が景気を刺激(低金利・財政出動)
- 輸入価格や資源価格が跳ね上がる
→ 原材料・エネルギーコストが国内物価を押し上げる - 通貨安(=お金の価値が下がる)になると輸入品が高くなる
✍️ 筆者のまとめ
世界中でインフレが進む中、インドネシアのようにデフレが続く国があるのは興味深いポイントです。同じ政策でも“結果”は国によって大きく異なるということ。
日本は今、長いデフレ時代からインフレへと転換し始めていますが、物価だけが上がって賃金が追いつかない「悪いインフレ」になるリスクも。だからこそ、利上げと賃上げの両立が急務です。
経済のサイクルを知ることで、「今がどんな局面か」「どう備えるべきか」が見えてきます。
歴史を踏まえ、未来に備えることが、資産形成においても何より大切だと考えています。
- 日本がデフレ脱却へ:経済大臣の発言(Reuters)
- インドネシアが20年ぶりのデフレに:2025年2月の状況(Reuters)
- 日本のインフレ率(CPI)推移:最新データ(Trading Economics)












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