みなさんこんにちは。
現在ビットコインも米株も最高値を更新し楽観モードに突入しています。
相関性のある金、いわゆるゴールドは最高値更新からやや伸び悩み下落しつつあります。今回はゴールドについて深掘りしていきたいと思います。

ポートフォリオにゴールドは絶対に入れておきたい資産だね!
はじめに 〜今後も「ゴールド=安全資産」なのか?〜
長年「安全資産」として知られてきたゴールド(金)。
戦争やインフレ、通貨危機のたびに注目され、“逃避先”としての役割を果たしてきました。
しかし近年では、スイスフランや米ドル、さらにはビットコインといった“代替的な安全資産”が台頭。
今、ゴールドの立ち位置は変わりつつあるのかもしれません。
この記事では、ゴールドの歴史的価値と現代の市場との関係、そして
個人投資家がどう活用していくべきかを考えていきます。


ゴールドの歴史的な役割と信頼性
インフレと戦争に強い「通貨代替資産」
金は、古代から「価値そのもの」として扱われてきました。
紙幣と異なり、実物資産であり、腐食せず、希少性があることが、信頼の根源です。
ハイパーインフレや戦時下では、通貨価値が崩れる中、金だけが人々の生活を守った歴史もあります。
中央銀行による“金の買い増し”という現実
近年、各国の中央銀行が再び金を買い増している動きが加速しています。
特に中国・ロシアなどは、ドル依存脱却の一環として金準備を増やしており、
これは単なる“価値保存”ではなく地政学的戦略の一部とも言えるでしょう。
現代マーケットにおけるゴールドの位置づけ
利上げ局面では逆風となる金
金は金利を生まない資産です。
そのため、米国などが利上げを続ける局面では、相対的に資金が金から離れやすい傾向があります。
2022〜2023年のFRBの急激な利上げでは、金価格はやや抑制されました。
ビットコインとの比較と若年層の資産選好
ビットコインが「デジタルゴールド」と呼ばれ始めた今、
一部の若年層は、金よりも仮想通貨をリスクヘッジ資産と見なす傾向もあります。
しかし、価格変動リスク(ボラティリティ)や規制の不確実性を考えると、
現時点ではゴールドの方が「安全資産」としての安定性は高いと言えるでしょう。
世界のビットコインとゴールドの保有状況
🌍 各国のゴールド保有ランキング(2024年〜2025年時点)
国名 | 保有量(トン) | 補足情報 |
---|---|---|
アメリカ | 8133 | 世界最大の保有量、通貨基軸としての象徴 |
ドイツ | 3352 | 欧州最大の金保有国 |
イタリア | 2452 | ユーロ圏の通貨信用支えとして保有 |
フランス | 2437 | 歴史的に金準備の比率が高い |
ロシア | 2333 | ドル依存回避のため積極保有中 |
中国 | 2280 | 外貨準備の一部を金にシフト中 |
スイス | 1040 | 通貨の強さと金の信任が直結 |
日本 | 846 | 世界第8位、慎重ながら安定的保有 |
インド | 822 | 金文化の強さが背景に |
オランダ | 612 | ユーロ不信への備えとしても保有 |
※出典:World Gold Council(2024〜2025年版)


₿ 各国政府のビットコイン保有状況(2025年推定)
国名 | BTC保有量(推定) | 評価額(ドル) | 補足情報 |
---|---|---|---|
中国 | 194000 | 176億ドル | 元々押収したものも含まれる |
アメリカ | 98000 | 183億ドル | サイバー犯罪押収分が主 |
イギリス | 61000 | 65億ドル | 犯罪取締の押収BTC |
ウクライナ | 46000 | 49億ドル | 民間支援による寄付分含む |
ブータン | 12000 | 11億ドル | GDPの30%相当、国家戦略として保有 |
※参考:bitbo.io / Cointelegraph / Coinpedia(2025年)


🧠 解釈と投資戦略の視点
- ゴールドは、中央銀行主導で“通貨価値の安定装置”として保有される資産
- ビットコインは、一部政府が“分散型資産”としてリスクヘッジ的に保有開始している段階
このように、どちらも「価値の保全」を目的とした保有であるものの、
歴史・信頼性・仕組み・価格変動の性質は大きく異なります。
💡 個人投資家の視点としては、両者を競合と見るのではなく、目的別に共存させることがカギです。
たとえば:
- ゴールド:信用リスク・通貨不安に備えた伝統的な“保険”
- ビットコイン:中央集権回避・インフレヘッジとしての“成長型リスク資産”
AI時代・通貨変化とゴールドの未来
物理資産としての安心感
テクノロジーが進化し、資産が「デジタル化」していく中で、
ゴールドは逆に「触れられる安心感」を持つ資産として再評価され始めています。
AIが判断する世界において、クラッシュや電力・通信トラブルに左右されない実物資産は、ある意味で“原始的なセーフティネット”となるかもしれません。
中央集権 vs 分散の視点で資産を見る
- 中央集権型:法定通貨/銀行預金/株式市場
- 分散型:ゴールド/ビットコイン/不動産現物
このような二極の観点で見ると、ゴールドは非中央集権的かつ信頼できる古典的資産として独自の位置づけを保ちます。
個人投資家にとっての戦略的なゴールドの位置づけ
分散投資の一部としての保有が基本
資産形成において、ゴールドだけに集中するのではなく、リスク分散の一部として持つという考え方が基本です。
たとえば世界的に見ても、ポートフォリオ全体の5〜10%程度を金で保有する投資家は多くいます。
これは「もしもの時」の保険的な意味合いです。
AIを活用した資産管理とゴールドの補完関係
AIによってマーケット分析や投資判断が進化している中でも、
「AIですら予測できない事象(通貨暴落・地政学リスク)」に備えるため、
ゴールドの存在は**“最終的な価値の避難所”**として意味を持ち続けます。
まとめ 〜ゴールドに代わる資産と保有戦略を考える〜
- テクノロジーの進化によって、「安全資産」は一種類ではなくなりました。
- ゴールドの代替となり得るものとしては、米ドル・米国債・スイスフラン・コモディティETF・ビットコインなどが挙げられます。
しかし、「絶対に安心な資産」は存在しません。
大切なのは、それぞれの資産がどんな特性を持ち、自分の目的にどうマッチするかを理解しながら構成することです。
💡 ポートフォリオの中で、ゴールドを何%持つか?
これは投資家のリスク許容度や、経済への見通しによって柔軟に設計すべきです。
たとえば:
- 安定を重視するなら:10%前後
- 成長性を重視するなら:5%以下
- 不測の事態への備えなら:一部を現物で持つのも有効
AI時代の資産形成において、ゴールドは“過去の遺産”ではなく、
変化の時代にこそ求められる、静かな防波堤なのかもしれません。


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