今年最後のFOMCはどうなる?|注目のパウエル議長の発言と後任議長のスタンス

年内最後のFOMCと来年の相場見通し

アメリカではインフレの鈍化と景気の減速が同時に進んでおり、政策金利は依然として 4%台後半の高水準にあります。
市場は利下げの織り込みが強い一方で、サービスインフレの粘りや労働市場の強さもあり、FRBは急激な方向転換がしづらい状況が続いています。

そんな中、今日のFOMCは日本時間で〈12月11日 28時〉に発表予定。
今回の会合は、単なる利下げ・据え置きの判断だけでなく、パウエル議長の任期が残り1年半となるなかで、
「次の議長が誰になるのか?」
「今後の金利はどこまで下がるのか?」
という “未来の相場の方向性” に関わる重要な分岐点になります。

ドル円はすでに日米金利差の縮小を意識し始めており、
FOMCの一言で円キャリートレードの巻き戻しが起きる可能性もある 非常に敏感な局面です。

今日は、アメリカの金利状況と議長交代の思惑が重なる、特別なFOMC。
相場を見るうえで押さえておきたいポイントをまとめていきます。


目次

いまのアメリカの金利状況はどうなっている?

アメリカは2024年〜2025年にかけて利下げを続け、政策金利は 4%台後半 まで下がっています。

これは「景気が減速してきた」「インフレが落ち着き始めた」という背景があるためで、金利の“高止まり”から少しずつ“正常化”へ向かっている段階です。

トレーダーruka

ただし、まだインフレの火種は残っているので、FRBは急激に金利を下げるわけにはいかず“慎重に、少しずつ利下げする”という姿勢が続いています。


今日のFOMCの注目ポイント

① 利下げ幅はどれくらいか?

市場は 0.25%の利下げをメインシナリオとして見ています。
ただし、景気や雇用の減速度合いによっては据え置きの可能性もゼロではありません。

② 声明文とパウエル発言の“ニュアンス”

実は、今回のFOMCで一番大事なのは数字そのものよりも「言葉」。

  • 今後も利下げが続くのか
  • 一旦ストップなのか
  • インフレをどれくらい警戒しているのか

これらのニュアンスの違いで、ドル円は大きく動きます。

③ 日米金利差は縮まりやすい状況

アメリカは利下げ、日本は利上げ観測。
流れとしては 金利差がゆっくり縮む方向 です。

トレーダーruka

ただし、日本はすぐに大幅に利上げできない構造なので、一気に円高…というよりは「上にも下にも振れながら、じわじわ縮まる」というイメージで見ています。


パウエル議長の任期はいつまで?

パウエル議長の任期:2026年5月15日まで

あと1年半しかありません。

パウエル議長はこれまで、

  • インフレが高いときはしっかり利上げ
  • 市場がパニックになりそうなときはペース調整

という 中庸派(バランス型) のスタンスでした。

そのため、市場もパウエル発言を大きく“読み違える”ことはあまりないタイプです。


次期議長候補は?スタンスはどうなるの?

いま有力候補とされているのは、、、

● ケビン・ハセット氏

  • トランプ大統領の側近の経済ブレーン
  • 減税・景気刺激を重視
  • 比較的「金利引き下げに前向き」と見られている

ただし、**FOMCは議長ひとりで政策が決まるわけではなくインフレが残る限り、急激な利下げは難しい**

という前提があるため、

「次期議長=大幅利下げ」とは限りません。

市場はむしろ、

“ハト派寄りだが、暴走はしない”

という冷静な見方が多いです。


ドル円はどこに注意すべき?

① 日米金利差のピークアウト

アメリカの利下げ、日本の利上げ観測。
金利差は 広がる→横ばい→ゆっくり縮小 へ。

② 円キャリートレードの“巻き戻し”リスク

これまで世界中の投資家がやってきた円キャリー(円を借りてドルを買う)は、金利差が縮むと魅力が落ちます。

その途中でFOMCや日銀が“思ったよりタカ派・ハト派”を出すと…

ドル円が急に動く(特に円高の急落)このパターンに注意。

③ 今は「政治と人事」で相場が動きやすい

  • パウエルの発言
  • 次期議長の名前
  • ホワイトハウスのコメント

こうした“ヘッドライン”だけで相場が一瞬で動くフェーズに入っています


筆者のまとめ

今日のFOMCは、単なる利下げイベントではなく、
アメリカの金利サイクルがどこで底を打つのかを読むための重要な会合です。

パウエルの任期は残り1年半。
次の議長は比較的“緩め”の政策を好む可能性があり、
アメリカの金利は中長期的に ゆっくり下がっていく流れ が続くかもしれません。

ただし、

  • インフレが再加速する
  • 日銀が予想外の動きをする
  • 政治的リスクが高まる

こうした要素で相場は簡単にひっくり返ります。

「こうなるはず」という思い込みではなく、
いくつかのシナリオを持って相場と向き合うことが、本当に大切です。

今日のFOMCもまた、相場の空気が変わる大きな転換点になる可能性があります。
引き続きブログで流れを追っていきます。


参考リンク

FRB公式|FOMCスケジュールと声明文
Reuters|アメリカ金利政策・パウエル発言の最新ニュース
日本経済新聞|金利・ドル円の動向解説


年内最後のFOMCと来年の相場見通し

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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
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