日銀は12月に利上げ?アメリカは利下げ?|日米金利差の縮小と今後の相場をわかりやすく解説

日銀12月利上げ?アメリカは利下げへ 日米金利差のゆくえ

日銀が12月に利上げを検討しているという報道が一気に広がり、金融市場が大きく動いています。

一方でアメリカでは、年末にも利下げを行う可能性が高まっており、日米金利差の縮小が意識され始めました。

為替相場を見ていると「なぜ円高方向に動きやすくなるの?」と言われることがありますが、その背景には “金利差” の影響があります。


目次

まず金利とは?金利差とは?

金利とは、お金を借りるときの“コスト” のことです。
例えば、銀行からお金を借りれば利息を払いますよね。その利息の割合が金利です。金利が高くなるほど、企業も家庭もお金を借りづらくなります。

そして 金利差 とは、

国と国で「金利がどれだけ違うか」を表す数字のこと。

この金利差が大きいと、一般的には 金利の高い国の通貨が買われやすくなる という特徴があります。

トレーダーruka

たとえばアメリカの金利が高く、日本の金利が低いと、ドルが買われやすく円が売られやすくなり、ドル円は上がりやすく(円安)、という構造です。


日銀は12月に利上げの可能性が高い理由

ここ最近の報道では、日銀が次回(今月12月18〜19日)の会合で利上げを検討する姿勢を見せています。

① 円安が止まらず、生活コストが急上昇

エネルギー・食品価格が高止まりし、生活者の負担が増えています。金融政策だけでは抑えきれないレベルまで円安が進み、金利正常化が必要と判断され始めています。

② 植田総裁が「利上げは経済にブレーキをかけない」と発言

複数の海外メディアで報道され、利上げに前向きな姿勢が鮮明になりました。

③ 政府内でも“為替安定”の必要性が強まった

為替介入と同時に“政策金利の引き上げ”が選択肢として浮上しています。

日銀の現在の政策金利は 0.50%
報道レベルでは、今回0.25%の引き上げで0.75%の政策金利になるとの可能性が示唆されています。


アメリカは12月に利下げの可能性

FRBは、インフレの鈍化と労働市場の冷え込みを受け、年内に0.25%の利下げに踏み切る可能性が高まっています。

背景としては

  • インフレが落ち着き始めた
  • 雇用が弱含み(失業率・ADPデータの悪化)
  • 景気減速を抑えるための調整

金利が下がると企業の借入コストが低くなり、株には追い風になることもあります。


日米金利差をシナリオ別でみる

現在の金利

  • 日銀:0.50%
  • FRB:3.75〜4.00%
トレーダーruka

なぜ3.75%〜4.00%と表記されるのか?
アメリカの短期金利(FFレート)は、銀行同士の「翌日物の資金の貸し借り」で決まる市場金利になります。
幅を持たせて市場に任せる部分があるため、レンジ方式 になっています。

したがって、
下限:3.75% 上限:4.00%
として市場の金利をこの中に収まるよう誘導しますというFRBの金融政策になります。

ここから利上げ・利下げが動くと…

📌 想定A:日銀0.75%、米利下げ → 3.50〜3.75%

金利差:2.8〜3.0ポイント

📌 想定B:日銀が0.75%へ引き上げ、米国据え置き**

→ 金利差:3.0〜3.25ポイント

📌 想定C:日銀が利上げせず、米が利下げ**

→ 金利差:3.0〜3.25ポイント

トレーダーruka

いずれにしても “日米金利差は縮小方向” でおおよそ3%前後になると考えられます。


為替への影響(USD/JPYは?)

✔ 日米金利差の縮小 → 円高方向に動きやすい

金利差が縮まると、海外資金の日本回帰が起きやすく、ドル円は下方向(円高)になりやすい構造です。

✔ ただし「利上げが織り込み済み」かどうかが重要

市場は“期待に反応”するため、事前に織り込まれている利上げは、発表時は逆方向に動く可能性もあります。

トレーダーruka

日本円の価値が低迷している今、金利差縮小は好転材料にはなりますが、いずれにしても米金利の方が高い状態は変わりません。
織り込まれている状態をみて、さらに投資家が円を欲しくなる材料がプラスに必要になると考えています。


株式・債券市場への影響

株式

  • 日銀利上げ → 日本株は短期で重くなる可能性
  • 米国利下げ → 米株は上昇しやすい環境へ

債券

  • 日国債の利回りが上昇 → 債券価格は下落
  • 米国は利下げ → 米国債は買われやすい

✍️ 筆者のまとめ

日銀が12月に利上げをするという観測が出ていますが、私は正直、今の日本が利上げできる状態にはないと感じています。

昨日の植田総裁の発言で一時的に市場は利上げを意識しましたが、実際は“円安を口先で抑えているだけ”という印象が強いです。

さらに日本はGDP比で債務が200%を超える世界でも珍しい国で、金利を上げれば国債の利払いが一気に膨らみます。これは政府財政にとって大きな負担です。

一方で、国民の生活は輸入品の高騰で限界に近づいています。コーヒーやチョコレートなど日常品でさえ数年前の数倍。

生活基盤の多くを輸入に頼っている日本にとって、この円安は家計を直撃します。しかし、政府や大企業は内部留保を積み上げてきた一方で、国民側には十分な還元がなく、生活が追いついていないのが現実です。

もしここで利上げが行われれば、企業の資金繰りはさらに厳しくなり、新規投資や事業拡大は難しくなります。材料費も人件費も高騰している中で、今利上げをされると体力のない企業から順に経営が追い詰められ、廃業が増える可能性もあります。

また、日本の多くの家庭が長いあいだ金利が上がらない前提で生計を組んでいました。利上げは家計破綻のリスクを広げます。家、車、生活の全てが“低金利ありき”で成り立っていたため、さらに困窮する可能性があります。

さらに世界は今、利下げ方向へ動いています。本来、日本はもっと早い段階で利上げをしておく必要がありました。しかし、ここまで円安が進み、物価が跳ね上がってしまった今になって利上げをするのは遅すぎると感じます。

もちろんマーケットは常に変化します。

この2週間でも状況が大きく変わる可能性があります。

このブログでは引き続き、金利差や為替、経済の動きを、私自身の視点で丁寧に追っていきたいと思います。


参考リンク


日銀12月利上げ?アメリカは利下げへ 日米金利差のゆくえ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
これからの時代、情報や選択肢があふれる中で、資産形成の第一歩を踏み出すためのヒントを届けたいと考えています。
多くの方が安心して未来を描けるよう、金融リテラシー向上の一助となるブログを目指しています。

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次