ウォーラー理事の発言が注目されていますが、FRB自体の仕組みや“ハト派”“タカ派”という言葉が難しいと感じる方も多いと思います。
この記事では初心者向けにFRBの基本とメンバーの立ち位置をわかりやすく解説し、トランプ大統領の動きや市場への影響も整理します。
「ハト派」と「タカ派」の意味
ハト派(Dovish)
「ハト=穏やかで平和を象徴する鳥」というイメージから、景気を刺激したい・優しく支えるような政策をとる立場を指します。金利を下げたり(利下げ)、お金の流れをゆるめて(金融緩和)、経済を活発にしようとする考え方です。
=景気刺激を優先。利下げや金融緩和に積極的で、雇用重視。
タカ派(Hawkish)
「タカ=鋭く攻撃的で守りに強い鳥」というイメージから、インフレ(物価上昇)を防ぐために厳しく引き締める立場を指します。金利を上げたり(利上げ)、お金の流れを絞って、経済の過熱を抑えようとします。
=インフレ抑制を優先。利上げや金融引き締めに積極的で、物価安定重視。

つまり、ハト派は“優しく景気を育てる”、タカ派は“厳しくブレーキをかける”という感覚です。
どちらも状況に応じて必要で、良し悪しではなくバランスを取る役割です。
現FRBのスタンス
最新の会合では、インフレ鈍化や雇用の弱まりを受けてややハト派寄りの意見が増えてきています。
実際に誰がどのスタンスか把握していると、発言やイベント時に相場の動向が見えやすいです。
名前 | 役職 | スタンス |
---|---|---|
ジェローム・パウエル | 議長 | 中立(バランス重視) |
フィリップ・ジェファーソン | 副議長 | ハト寄り(景気重視) |
ミシェル・ボウマン | 副議長(監督担当) | ややタカ寄り(規制重視) |
クリストファー・ウォーラー | 理事 | ややハト寄り(柔軟対応) |
リサ・クック | 理事 | ハト寄り(雇用重視) |
マイケル・バー | 理事 | 中立(金融安定重視) |
スティーブン・ミラン | 理事候補 | 未定 |



FRB(連邦準備制度理事会)は、アメリカの中央銀行にあたる組織で、金利や金融政策を決める役割を持っています。
景気や物価の安定、雇用の最大化を目指して、7人の理事と全米12の地区連銀をまとめています。
議長を中心に、世界経済にも大きな影響を与える重要な機関です。
1席空いている理由
アドリアナ・クグラー理事は、2025年8月8日をもってFRBを辞任し、ジョージタウン大学に復帰することになりました。任期は本来2026年1月までですが、早期に辞任した理由は明示されていません。
クグラー氏の早期辞任により、トランプ大統領にはFRBの理事枠を埋める人選の“チャンス”が生まれました。
利下げを行いたいトランプ大統領の政策に有利な理事が次の候補ではないかと市場はみています。(現在はスティーブン・ミラン氏が候補にあがっています)
次回の注目発言
FRB理事であるクリストファー・ウォーラー氏は、アメリカ東部時間では8月28日(木)の夜に講演を予定しており、日本時間ではそれが8月29日(金)の深夜~早朝に当たります。
ジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言から、一気に9月利下げに相場が傾きました。
ウォーラー理事の発言は利下げを促進するのか、ハト派の理事なだけに注目されています。
筆者の考え✍️
相場を見る上で、「ハト派」「タカ派」を知ることはとても重要です。FRB内でハト派とタカ派のバランスが崩れると、金利や為替市場は大きく動きます。
今は雇用の弱さやインフレの落ち着きを背景にハト派寄りが優勢。
そこにトランプ大統領の利下げ圧力が加わると、ドル売りや株高の動きが強まるかもしれません。29日のウォーラー理事の発言は、FRBの方向性と政権の思惑が交錯する場面として注目されます。
特にFRBの理事たちは、日本時間とは逆のアメリカ時間に発言することが多く、夜寝ている間に相場が大きく動くこともあります。だからこそ、発言の日は要チェック。
さらに、その理事がハト派なのかタカ派なのかを押さえておくことで、相場の傾きやリスクの方向性をより正確に判断できます。こうした情報を理解しておくことが、ポジションを守り、チャンスをつかむための大切な武器になるでしょう。



私はウォーラー理事の発言を注視して週末のポジション持ち越しはしないようにしようと考えています、金曜日の夜の相場は参加者がある程度利確し、特に閑散相場になりやすいのでロットを大きく持ち越すことは危険と考えています。




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