🔷 導入:『マネー・ショート』と今の私たち
たまたま、久しぶりに映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を見ました。
この映画は、2008年のリーマンショックの裏側で、サブプライムローンという危険な金融商品に警鐘を鳴らし、暴落に賭けた投資家たちの実話に基づいています。
私はこれまでに何度もこの映画を見ていますが、今あらためて観たとき、現在の経済や株式市場と重なる部分があまりにも多いと感じました。
株価は上昇を続け、ニュースでは景気回復の話題が並びます。
一方で、失業者は増え、生活が苦しいと感じている人が身の回りにも多く、経済の実態と株価の乖離に違和感を覚えずにはいられません。
「また同じようなバブルが始まっているのではないか?」
そんな視点から、今回はサブプライムローンとは何か、なぜそれがリーマンショックを引き起こしたのか、そして今の世界と何が似ているのかを丁寧に解説します。
🔷 サブプライムローンとは?
信用力の低い人たちへの高リスク住宅ローン
「サブプライムローン」とは、返済能力が低い借り手(信用スコアが低い人)に対して組まれた住宅ローンのことです。
“サブ”=劣った、“プライム”=最上級、つまり「最上ではない」信用層への貸付を意味します。
通常、金融機関はこうした人たちにお金を貸すことを避けますが、2000年代初頭のアメリカでは、住宅価格の上昇と金融商品の証券化が相まって、「どんどん貸して、組成して、売れば儲かる」という仕組みが出来上がっていました。
🔷 なぜそれが世界的な金融危機を引き起こしたのか?
問題は、サブプライムローンが単体で終わらず、それを**束ねて証券化(MBS・CDO)**し、世界中の金融機関に販売していたことです。
本来はハイリスクな商品であるにもかかわらず、格付け機関は「AAA」などの最高評価をつけていました。つまり、リスクの見えない“爆弾”が世界中にばらまかれていたのです。
結果として、住宅価格が下落し始めた2006年以降、返済不能が多発。ローンが焦げ付くと、それを担保にしていた金融商品も一気に無価値化。
こうして、銀行同士がお互いの資産状況を信用できなくなり、金融機関が次々と破綻寸前に追い込まれたのです。

要するに、お金儲けをしたい人間の欲が連鎖を起こし実態の経済や人々の生活とはどんどん乖離していったということだよ!
🔷 リーマンショックとは?
サブプライムローンの“爆発”が引き起こした世界危機
2008年9月、米大手投資銀行「リーマン・ブラザーズ」が経営破綻。
このニュースが世界を駆け巡り、株式市場は大暴落。世界同時不況に陥りました。
つまり、リーマンショック=サブプライムローン問題の「爆発」であり、これは突発的に起こったのではなく、数年かけて育ってしまったバブルの崩壊だったということです。
🔷 バブル形成から崩壊までの時系列
📈 バブル期間(形成期)
- 時期:2000年頃〜2006年
- 背景
- 2001年のITバブル崩壊後、米FRBが利下げを行い、低金利が続いた
- 住宅ローンが組みやすくなり、住宅価格が上昇
- 証券化(MBS:住宅ローン担保証券)により、金融機関がサブプライム層にも積極的に貸し出し
- 「住宅価格は永遠に上がる」という楽観ムードが蔓延
💥 バブル崩壊と暴落期間
- 崩壊のきっかけ:2006年後半〜2007年にかけて
- FRBが利上げ → 住宅ローン金利上昇 → サブプライム層が返済不能に
- 2007年に住宅価格が下落し始め、焦げ付き(デフォルト)多発
- 暴落のピーク:2008年秋(リーマンショック)
- 2008年9月:リーマン・ブラザーズが経営破綻(世界的な信用不安へ)
- 株価大暴落、金融機関の倒産・救済連鎖
- 実際の「崩壊」は2007年から始まり、2008年に急激に表面化
⏳ まとめ(期間)
フェーズ | 期間 | 特徴 |
---|---|---|
バブル形成 | 約6年(2000年〜2006年) | 住宅価格急騰、サブプライム貸出拡大 |
崩壊開始 | 約1年(2006年後半〜2007年) | 利上げ・住宅価格下落・返済不能 |
暴落・危機 | 約1年(2007年〜2008年) | リーマン破綻、世界金融危機 |
🔷 今の世界はどうか?過去との共通点
- 株価は高騰している(特にAI・テック関連)
- 一方で、生活コストの上昇、家賃・住宅ローンの高騰、借金生活の増加
- 国家レベルでの債務膨張と金利上昇
- 株式・不動産に過剰な資金が流れ込んでいる
こうした状況は、「サブプライム」とは違えど、また別の形でバブルが形成されつつある構図に非常によく似ています。
しかも多くの人は、今回も「まさかそんなことにはならないだろう」と思っている――
これは**映画『マネー・ショート』の世界と同じ**です。
🔷 まとめ:歴史は、かたちを変えて繰り返す
2008年の金融危機も、それ以前のドットコムバブルも、日本のバブル崩壊も――
共通するのは、「人々が楽観的になりすぎたときに起きる」ということ。
どれだけテクノロジーが進化しても、経済の中心には「人間の欲望」や「過信」がある限り、バブルは繰り返されるのです。
今の株高の背景には、明らかに不安定な要素が潜んでいます。
だからこそ、楽観的なムードに流されず、自分の頭で考え、過去から学ぶことが大切です。
このブログが、あなたの資産を守る一つのヒントになれば幸いです。



「失業率が1%上がると4万人が死ぬんだ!!」
マネーショートでの印象的な言葉です。
先日の雇用統計はどうだったでしょうか?
崩壊はもう始まっているかもしれません。




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