日経平均が過去最高を更新
2025年、日経平均株価がついに4万円を突破しました。
これは1989年のバブル期の最高値38,915円を超える、史上初の水準です。
「景気が良くなった実感はないのに、どうして株価だけが上がるの?」
多くの人が感じている素朴な疑問を、ここで整理していきます。
今なぜ日本株が上がっているのか?
円安で輸出企業の利益が拡大
現在の大きな要因は円安です。
1ドル=150円台が続く中、自動車や半導体など輸出企業の利益が膨らみ、株価を押し上げています。
外国人投資家の資金流入
海外の投資家にとって、日本株は「割安」でした。
米国株が割高になりつつある今、日本株は買いやすい投資先として注目されています。
企業の体質改善
近年、日本企業は株主還元や自社株買いを積極的に進めています。
ガバナンス改善により「株主に優しい企業」へ変化していることも、株価上昇につながっています。

トレーダーrukaのメモ✍️
実は2023年頃から、ウォーレン・バフェット氏が日本株に注目していました。
彼は伊藤忠商事・三菱商事などの「商社株」を大量に買い増しし、世界的な投資家の間でも話題となりました。
バフェットは「長期的に日本の商社は強い」と語り、エネルギー・資源・金融にまたがるビジネスモデルを評価。
その投資姿勢は「神様の眼鏡にかなった日本株」として、海外マネーの呼び水となっています。
今後の日経平均はどこまで上がるのか?
短期的には 4万2,000円〜4万5,000円 あたりまでは視野に入ると言われています。
その理由は以下の通りです。
- 円安が続けば輸出企業の利益が押し上げられる
- 米国株が割高感を強める中、相対的に日本株に資金が流入
一方でリスク要因もあります。
- 円高に振れれば利益圧迫 → 株価の押し下げ要因
- 米国経済の減速が波及すれば、日本株も調整の可能性
- 「加熱感」が強まると短期の利益確定売りが増える
今回の株高に潜む“違和感”
相場の相関性が失われている
本来であれば、日本は利上げ観測が出ている以上、円高方向に動きやすく、株価にとってはマイナス要因のはずです。
ところが現実には 円安基調が続き、株価はむしろ高値を追っている という「逆の動き」が起きています。
さらに世界的に見ると、
- アメリカドルは「利下げ観測」なのに買われている
- 日本株は「利上げ観測があるのに」買われている
- 安全資産であるはずの円は買われず、代わりにスイスフランが急騰(200円目前)
と、従来の相関関係が崩れた市場の歪み が目立っています。
生活者の実感とのギャップ
株価が史上最高を更新する一方で、現実の日本経済はどうでしょうか。
- 賃金が上がったのは大企業中心、中小企業は依然として厳しい
- 物価高で消費者の実質購買力は低下
- 倒産件数は今後増加が見込まれている
つまり、「株価の祝賀ムード」と「生活者の厳しい現実」 には大きな乖離があります。
バブル的な過剰反応?
市場は「日本株が見直されている」「外国人投資家の資金流入」と説明されていますが、実際には 決定的な要因は存在しません。
それなのに株価が異常なスピードで上昇しているのは、
- グローバル資金の過剰流入
- 相関性の崩れ(株も債券も上がる、安全資産が逆に売られる)
- AI売買・アルゴリズムの影響による“歪み”
などが絡み合った結果であり、むしろ 「ショック前の過熱」 を想起させます。
筆者の見立て
正直なところ、日本株はこれまで「安すぎた」=割安だったと思います。
長い停滞を経て、ようやく見直され始めたのが今の4万円突破ではないでしょうか。
過去の「サブプライムローン問題」「リーマンショック」も、
好景気のムードの中で突然やってきました。
今回も同じように「気づいたら崩壊が始まっていた」というシナリオは、十分にあり得ると思います。




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