今回は世界的に注目されていたアメリカにロシアのプーチン大統領が訪米するという歴史的な会談について解説していこうと思います。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、世界は長期的な緊張状態にあり、戦争は予想以上に長引いています。それに伴い世界的なインフレが止まりません。そんな中トランプ大統領が動き出しやっと進みつつあるウクライナとの関係性。
戦争が終わると経済にどう結びつくのか、いま一度世界の流れを整理していきましょう。

何かが変化する時はいつの世も苦しい期間があります。
私たちは明治維新のような、時代の転換期いることを理解すると新しい目線で資産構築できると考えています。
ニュース概要
2025年8月16日 06:00頃(日本時間)アラスカで行われたトランプ米大統領とプーチン露大統領の会談では「ウクライナ紛争の包括的な和平の追求」 がテーマとなりました。
米国はロシア産原油に関する一部制裁を一時停止すると発表。
これを受けて市場では「供給が安定する」と見られ、原油価格は弱含みとなりました。
ただし、停戦や戦争終結の具体的な合意はなく、象徴的な外交イベントにとどまったとも言われています。
今後はゼレンスキー大統領を交えた三者会談が注目されています。



🌍 世界的視点
今回のトランプ×プーチン会談は、欧米諸国にとって「安全保障の行方」を左右する重要なイベントとして注目されています。エネルギー市場や軍事バランスに直結するため、各国メディアも大きく取り上げています。
🇯🇵 日本からの視点
一方、日本にとっては原油価格や為替の安定、そして東アジアの安全保障に波及する可能性があるため、経済だけでなく外交的にも大きな関心を持たれています。
ロシア×ウクライナ有事が市場に与えていた影響とは?
戦争や地政学リスクが高まるとき、金融市場は大きく動きます。
基本的に有事はリスクオフ資産に資金が流入します。
◆ リスクオフとは(Risk-Off)
投資家が 「安全第一で守りに入る」 心理のとき。
戦争・テロ・金融危機・不景気の兆候などがあると起こりやすい。
初心者向けに代表的な動きを整理すると、以下のようになります👇
ゴールド(金)
- 「有事の金」と呼ばれるように、戦争や不安定な状況では安全資産として買われやすい
- 価格は上昇しやすい傾向
原油
- 戦争の場所や関係国によって大きく変動
- 産油国や中東での有事 → 供給不安から価格上昇
- 今回のように制裁緩和 → 供給安定で価格下落
株式
- 有事の直後はリスク回避で株価が下がることが多い
- ただし、戦争が長期化すると「軍需関連株」や「資源関連株」は上昇するケースもある
為替
- 安全通貨(ドル・円・スイスフラン)が買われやすい
- 戦争の影響が大きい国の通貨は売られやすい
逆に有事が終わりに向かい経済の見通しがある程度見えたら投資家の心理はリスクオンになります。
◆ リスクオンとは(Risk-On)
投資家が 「リスクを取ってでもリターンを狙いたい」 という心理のとき。
世界情勢が安定していたり、景気が良いときに起こりやすい。


✅ ウクライナ和平がもたらす経済効果(産業別)
1. エネルギー産業(原油・天然ガス)
- 戦争によって供給不安 → 価格高騰していた原油・天然ガスが 安定・下落 しやすい
- 特にヨーロッパ(ドイツ・フランスなど)はロシア産ガス依存のリスクが減り、 エネルギーコスト低下 → 景気回復
- 新エネルギー(再エネやLNG輸入)への投資は一旦スローダウンの可能性
2. 農業・食料産業(小麦・トウモロコシ)
- ウクライナは「世界の穀倉地帯」
- 戦争で輸出が滞っていた小麦やトウモロコシが市場に戻る → 食料価格の安定化
- 特に中東・アフリカ諸国では食糧インフレが改善され、社会不安リスクが低下
3. 製造業・輸送業
- ウクライナやロシア周辺の物流が安定 → サプライチェーン改善
- 輸送コスト(船舶・保険料)が下がり、世界貿易がスムーズに
- 自動車や機械産業など「部品供給が不安定だった分野」にプラス
4. 金融・投資市場
- 戦争リスクが減少 → リスクオフからリスクオンへ
- 株式市場は世界的に上昇傾向、特に欧州株が恩恵大
- 安全資産のゴールドや円は売られやすくなる(価格下落)
5. 防衛産業
- 短期的には軍需関連の特需が減少する可能性
- ただし「平和になっても安全保障投資は継続する」国が多く、完全なマイナスではない
6. IT・テック産業
- 不安定だった投資マインドが改善 → 資金が新興テクノロジーへ回帰
- AI、半導体、次世代通信などへの投資が再加速
🌏 筆者の考え
もしウクライナに平和の兆しが見えれば、エネルギー・食料価格の安定化、物流改善による製造業の復活、そして投資マネーのリスクオン回帰が同時に進み、世界経済に大きなプラスの影響を与えるでしょう。
一方で、相場には独特の矛盾も表れています。アメリカ株は利下げ期待やテック株の成長を背景に上昇を続ける一方、ゴールドも地政学リスクと中央銀行の買い増しによって高値圏にとどまっています。本来なら「株高=リスクオン」「金高=リスクオフ」と逆の動きになるはずですが、投資家は“株でリターンを狙いつつ、金でリスクをヘッジする”という二重投資を行っているのです。その結果、株とゴールドが同時に買われるという、一見矛盾した状況が生まれています。
もちろん、地政学リスクが完全に消えることはありません。しかし和平の動きは「インフレ沈静化+株高」という流れを一層強め、投資家にとって大きな追い風になると考えられます。
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