トランプ相場になり毎日色々ありますね汗
2025年8月1日(日本時間21:30)に発表された米雇用統計(7月分)は、予想を大きく下回る弱い結果となり、ドル円をはじめとする為替・株式市場が大きく反応しました。
今回の発表では、「7月単月の雇用者数の鈍化」だけでなく、「5月・6月分の雇用者数が合計で−258,000人も下方修正された」点が特に衝撃的です。さっそく今回は昨日発表されたアメリカ雇用統計についてまとめていきます。

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雇用統計の発表結果(2025年7月分)
指標項目 | 結果値 | 市場予想 | 前回値(修正後) |
---|---|---|---|
非農業部門雇用者数(NFP) | +73,000人 | +110,000人 | +14,000人(6月) |
失業率 | 4.2% | 4.1% | 4.1% |
平均時給(前月比) | +0.3% | +0.3% | +0.3% |
平均時給(前年比) | +3.8% | +3.8% | +3.7% |
🛠️ 注目ポイント:異例の大幅下方修正
- 6月: +147,000人 → +14,000人(−133,000人)
- 5月: +144,000人 → +19,000人(−125,000人)
➡ 合計−258,000人の下方修正
これは通常の月次修正幅(数万人)を大きく超える異常な規模であり、市場では「BLS(米労働省)の統計信頼性」に対する疑念も浮上しています。
1980年代以降でパンデミック期(コロナ禍)を除いた通常期としては最大級に該当します。
測定・集計ミス(統計プロセスの問題)、あるいは 事後にデータベースの再編があった可能性など、特殊な要因が関与している可能性が高いですが、あまりに大きな修正になるためもしもデータ改ざんでもあるとするならばアメリカへの不信感は高まるでしょう。
私はかねてよりXで数字がおかしいのではないかと呟いてきましたが、やはりという感想です。もっと前からですがコロナ禍でさらにお金をすり金利も上昇し債務が増え続けています。アメリカ経済は疲弊していると予想していましたが、いよいよ雇用や物価高に顕著に表れてきました。

昨夜はなかなかの衝撃でした


💥 市場の反応:ドル円が約3円急落!
雇用統計と同日に発表されたPMIとミシガンの結果を受け下記のように市場は反応しました。
- ドル円は指標発表前150円台 → 早朝まで下落し続け147円台前半へ急落(約3.2円幅)
- 米10年債利回りは急低下、株式市場はリスクオフ
- VIXと(恐怖指数)と金が上昇
- 9月 or 11月のFRB利下げ期待が急浮上
雇用統計も下振れでしたが、ミシガンはやや良かったもののPMIも下振れでさらに下落が加速しました。
消費者信頼感指数(University of Michigan)ミシガン大学指標
➡ 消費者マインドはわずかながら改善しているが、期待値はなお慎重。貧富による見解の差や関税不安も根強い。
製造業・サービス業 PMI(米国)
➡ 製造業の弱さが継続する一方、サービス業は堅調で構造の二極化が鮮明に。



この結果を受け市場の反応はブラックマンデーの再来と囁かれています。週明け相場に緊張感が走りますね。
「ブラックマンデー(Black Monday)」とは、1987年10月19日(月)に起きた世界同時株価大暴落のことを指します。株式市場の歴史において最も衝撃的な暴落の一つであり、現在も金融市場では「パニック相場」や「クラッシュ」の代名詞として語られています。
📌 雇用統計の結果を受け円高になるのか?
✅ 結論:短期的には円高圧力が強まっているが、トレンド転換かは「次の一手」次第
① すでに「3円近い下落」が起きた直後である
- 短期的な売り圧力は出尽くし感もあり、利確やショートカバー(買い戻し)で一時的にドルが戻す展開も十分あり得る。
- テクニカル的にも、移動平均線(147〜148円)付近での攻防が発生中。
② トランプ氏の意向=「ドル安・円高」方針がある一方で…
- トランプ前大統領は再選戦略の一環として、「輸出産業の支援」「貿易赤字是正」を掲げており、円高=対日ドル安誘導を好む傾向。
- ただし、同時に「高関税政策」を取る可能性もあり、それは円安圧力として働く(=輸出企業にはプラス)。
③ 日本側は「利上げしない=円高を後押ししない」
- 日銀の植田総裁は、2025年7月の会見でも「追加利上げには慎重」と発言。
- インフレ目標2%は超えているが、構造的賃金上昇が伴っていないことが背景。
➡ このため、円高を日銀が容認するとは限らず、円安方向の構造も残る
④ 円は「安全通貨」としての買われ方が変化してきている
- 過去は地政学リスクや災害時に円が買われやすかった(リスクオフ円買い)。
- しかし最近は「**日本の国力(財政・成長性・地政学的位置)**が低下しつつある」と見られ、安全通貨としての買い圧力は鈍化傾向。
⑤ 関税+株価という観点から見ると「円安」の方が都合がよい場面も
- 米中関係悪化やトランプ関税が再び強化されれば、日経平均のためには円安が好都合という側面も。
- 日本企業の多くが外需型(トヨタ・ソニーなど)であるため、円安は株価支援になりやすい。
✅ トレーダー目線での戦略ヒント
- ドル円のトレンド転換サインとなる可能性
- リスク回避資産(ゴールド、ビットコイン)への資金移動
- 米利下げ織り込みに向けたポジション調整のチャンス
急落の時ほど仕込むチャンスでもあります。高値更新など市場が楽観の時に売る、悲観の時に買う、市場心理はチャンスのシグナルになると考えています。


✍️ 最後にわたしの考察:「サイレント雇用崩壊」が始まっている
今回の雇用統計は、一言でいうと「表面上は静かだが、内側では崩壊が始まっている」ような印象を受けました。これは単なる景気の減速ではなく、ポストコロナ・高金利時代における新しい雇用のあり方が問われている証拠でもあります。AIの普及や企業のリストラ方針なども相まって、労働構造の転換は今後ますます加速するでしょう。
先ほど入ってきたニュースですが、アドリアナ・クーグラー理事が、2025年8月8日付で辞任することが米FRBにより発表されました。トランプ大統領が次期議長候補をその後任理事から指名する可能性が注目されています。さらに市場が混乱するでしょう。
今回の歴史的な急落を受け、現在まさに時代の転換点にいるという自覚がさらに高まりました。
土日のニュースにも耳を傾け、気を引き締めて週明けの相場に挑みましょう。


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