こんにちは、ルカです。CPIやPPIの数値が改善する中、現在株・ゴールド・仮想通貨が全面高ですね。
一方で米国の実体経済には見過ごせない問題も。表と裏の経済を解説します。

現在、投資家の見方が大きく分かれています。一つずつ紐解いてみていきましょう。
CPI・PPIはインフレ鈍化のサイン?
2024年6月のアメリカ経済指標は以下の通りです
- CPI(消費者物価指数):前年同月比+3.0%(市場予想より低下)
- PPI(生産者物価指数):+2.4%前後と、インフレ鈍化が続く傾向
この結果を受けて、「FRBはこれ以上の利上げを行わない可能性」が濃厚とされ、市場全体に楽観ムードが広がっています。世界的にインフレが加速していますが、結果からインフレ鈍化との見解で市場が反応しています。
ここにも数値と実態経済にギャップを感じます。
逆にトランプ大統領から利下げを要求されていますね。トランプ氏は「株高=景気が良い=自分の経済政策の成果」と強く主張していました。
利下げをすると企業の借入コストが下がり、投資や雇用が拡大し、株価が上昇しやすくなります。
⬆ 利上げ(景気過熱、インフレ抑制)
影響対象 | 経路 | 結果 |
---|---|---|
企業 | 借入コスト増加 → 設備投資縮小 → 業績悪化 | 株価下落 |
個人 | 預金金利上昇 → 貯蓄志向強化 ローン金利上昇 → 消費減退 | 総需要減少 |
⬇ 利下げ(景気後退、デフレ対策)
影響対象 | 経路 | 結果 |
---|---|---|
企業 | 借入コスト低下 → 設備投資拡大 → 業績改善 | 株価上昇 |
個人 | 預金金利低下 → 投資意欲増加 ローン金利低下 → 消費拡大 | 総需要増加 |
利上げをするか利下げをするか、消費者と企業のどちらかに歪みがくるようになります。
どちらかにたとえ0.5%でも影響を受けるので金利の仕組みをしっかり理解する必要があります。
株式・金・仮想通貨が全面高の理由
現在のマーケットは“リスクオン”状態。主な資産クラスの動きは以下の通りです。
- S&P500・ナスダック:過去最高値圏
- ゴールド(XAU/USD):2,400ドル台へ上昇
- ビットコイン・仮想通貨:反発上昇中
- ドル円:160円付近、円安続行
“インフレ鎮静化”と“利上げ停止観測”が投資家心理を刺激し、リスク資産への資金流入が加速しています。


実体経済に潜む“見えない苦しさ”
表面的には好調な米経済ですが、以下のような “見えない痛み” も浮き彫りになっています:
- クレジットカード債務が過去最高
- 住宅ローン金利の上昇による家計負担
- 中古車・家賃の再上昇
- 若年層の延滞率上昇
- 中間層の購買力の低下
つまり、CPIの数字上では“緩和”されていても、人々の生活感覚は厳しいままです。
なぜ今、表と裏の乖離が起きているのか?
市場が“全面高”なのに、実態経済は疲弊しています。
この乖離の背景には次のような構造があります。
視点 | 実態 |
---|---|
指標 | 安心感(数字で見ると改善) |
市場 | 期待感(利下げ織り込み、投機的) |
実体 | 苦しさ(生活費高騰、賃金上昇追いつかず) |
数値は過去のデータで時間差で出てきます。実際の経済がのちに数値として表れるものです。



ここを投資家はどう見るのか、先を読む必要があります。
これから注視すべき3つの経済指標
今後、米国経済の真の姿を見極めるために注視すべき指標は以下の通りです
- 10年物米国債金利:再上昇すれば株安要因に
- クレジットカード延滞率:家計悪化の兆候
- 中小企業破綻件数:実態経済への波及
ここ最近、国債金利と為替が連動しておらず、円高なのにアメリカ国債は上がり続けています。
こういった少しの違和感も投資ノートなどに記憶しておくと相場の動向を追いやすくなります。
まとめ:数字の裏にある“暮らしの実感”を見逃さない
アメリカ経済は、一見“好調に見える”ものの、その裏では違う顔を見せています。
- 指標:鈍化しているように見える
- 市場:期待先行で上がっている
- 暮らし:実は厳しさが続いている
このギャップの正体を読み解く視点を持つことで、あなたの資産は守られ、チャンスも見えてくるはずです。




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