2026年1月の米指標データまとめ|NFP・ISM・ADP・JOLTS・失業保険から読む労働市場の強弱バランス

NFP / ISM / ADP / JOLTS / Claims “労働市場の強弱バランス”

2026年の年明け一週目は、アメリカの労働市場を確認する上で重要な指標が集中する週となりました。

非農業部門雇用者数(NFP)、ISM、ADP、JOLTS、新規失業保険申請など、景気と労働の“温度を測るためのデータ”が揃って出てきたことで、投資家は改めてアメリカ経済の強弱と利下げサイクルの行方を意識する相場となっています。

この記事では、今週発表された米雇用データの結果を1つずつ整理し、最後に市場への影響と為替(ドル円)視点でまとめます。


目次

今週の雇用指標の結果まとめ

① ISM製造業(12月分)

  • 結果:47.9
  • 予想:48.3
  • 前回:48.2

10ヶ月連続で50割れ(景気縮小ライン)。
製造・生産・受注など、景気の“モノ側”の弱さが継続。


② ISM非製造業(サービス)(12月分)

  • 結果:54.4
  • 予想:52.2
  • 前回:52.6

→ サービスは依然“拡大”。
アメリカ経済はサービス寄りの構造のため、経済の底を支える形に。


③ ADP雇用(12月分)

  • 結果:+41,000人前後
  • 予想を下回る
  • 前月値は下方修正

→ 民間雇用は増加は続くが勢いは鈍い。


④ JOLTS求人件数(11月分)

  • 結果:約710万件
  • 前月比 減少
    採用ニーズの縮小が進む。雇用増の“先行弱化”を示唆。

⑤ 新規失業保険申請(週次)

  • 結果:208,000件
  • 予想:213,000件
  • 前回:200,000件

→ 失業は増えていない一方で、低水準の中での微増。


昨日の雇用統計(12月分)の結果

2026年1月9日発表(12月分)のアメリカ雇用統計が発表されました✍️


🟡 非農業部門雇用者数:NFP

  • 結果:+50,000人
  • 予想:66,000〜70,000人

予想を下回る弱い数字
さらに前月も下方修正 → トレンドとしても減速。


🟢 失業率

  • 結果:4.4%
  • 予想:4.5%

→ 逆にこちらは改善
ただし、雇用増の鈍さと矛盾しやすい指標でもある。


💰 平均時給

  • 前月比 +0.3%
  • 前年比 +3.8%

→ 賃金は安定して伸びており、インフレ圧力を一定程度維持。


指標結果をどう受け取る?

📉 弱い面

  • 製造業PMI縮小継続
  • 求人件数(JOLTS)縮小
  • ADP弱め
  • NFP予想割れ
  • 雇用増の鈍化トレンド

企業側の採用意欲の鈍さ


📈 底堅い面

  • サービスPMI拡大
  • 失業率改善(4.4%)
  • 賃金は成長を維持
  • 失業保険申請は低水準

すぐに崩れる労働市場ではない


トレーダーruka

“鈍化しているが崩れてはいない”という何とも言えない状況ですが、このまま下方修正がなければ2025年よりは雇用の回復の兆しを感じます。


今後の焦点はどこか

労働市場よりも、次はインフレブロックに目が移る。

✔ CPI(1/14)
✔ PPI(1/16)
✔ FOMCブラックアウト明け
✔ 企業決算
✔ FRBメンバー発言

2026年相場に入ってから市場は、雇用 → 賃金 → インフレ → 利下げ → 景気着地という順でテーマが移動している。


🧾 筆者のまとめ:ソフトランディングは簡単じゃない

今回の雇用データを見ると、アメリカ経済は「悪くはないが良いと言い切れない」という微妙なラインを歩いていることが分かります。そのため、一部では“ソフトランディング(景気を冷ましながらリセッションを避ける)”という期待が語られています。

ただ、歴史的に見るとアメリカはソフトランディングに成功した例が非常に少なく、1960年代後半や1990年代半ばなどごく一部を除けば、ほとんどは最終的にリセッション入りしています。つまりソフトランディングとは実務的にはほぼ奇跡に近い政策運転です。

また、昨年(2025年)のアメリカは統計の大幅修正が続き、企業業績も雇用も“数字だけを見ると強い”的に映る一方で、実際のアメリカ国民の生活環境は

  • 家賃高騰
  • 自動車ローン延滞増加
  • クレジットカード債務の記録更新
  • 債務返済負担率の上昇
  • 消費の二極化

など、決して底堅いものではありません。数字と生活の間に明確な齟齬が存在したままです。

特に雇用市場は一旦崩れると“即座に戻らない”構造があり、今回のデータが良化したからといって、それを全面的に強気材料として受け取れる状況ではありません。

為替の面でも、昨年末〜年始にかけてはドル売りが起きる中でスイスフランが強く買われていました。その後一時的にドル買いに戻したものの、ドルと円の両方が売られる局面も存在し、“どの通貨が絶対に安全”という構図ではなくなってきている点は非常に重要です。

例えば過去の強気相場では“ドル一強”の時代がありましたが、今はそれを鵜呑みにしてロング一本で攻められる状況ではなく、逆に“日本円=安全資産”という従来の定義も揺らいでいます。

つまり今は、

どちらにも振り切れない、非常に難しい相場

というのが率直なところです。

今週は年明け1週間目の指標ラッシュでしたが、こうした地合いでは表面の数字だけで方向を決めると大きく資産を失う可能性があります。

一方で、こういう時期は逆に大きく稼ぐチャンスでもあるため、ギャンブルではなく資産管理を最優先にしながら、自分自身はもう少し俯瞰して市場全体の流れを見ながら戦いたいと思っています。


参考リンク

▼ AP News(米国の雇用統計の解説・国民生活の温度感が分かる)
https://apnews.com/

▼ Reuters(雇用・市場反応・金利・利下げシナリオが整理されている)
https://www.reuters.com/

▼ Trading Economics(指標データの履歴とチャートが見られる)
https://tradingeconomics.com/


NFP / ISM / ADP / JOLTS / Claims “労働市場の強弱バランス”

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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
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