【完全版】FXの閑散相場はいつ?CME・EBSの流動性低下とスプレッドが開く仕組みを解説

CME障害ってなに? 閑散相場の年間スケジュール

FXの値動きが突然荒くなったり、スプレッドがいつもより広がったりするのは、単なるランダムではありません。

背景には、市場の流動性が極端に低下する「閑散相場」 があり、さらにその裏側では、世界の価格を形成する2つの中枢——CME(先物)EBS(現物) の出来高が落ちることで、レートに“歪み”が生まれています。


この記事では、1年の中で閑散相場になりやすい時期、スプレッドが開くタイミング、そしてCMEとEBSが価格にどう影響するのか を全て解説。

トレーダーが必ず知っておくべき「薄商い相場の正体」を、わかりやすくまとめます。


目次

EBSとは?

https://www.investopedia.com/thmb/OBKNUY88WSCRnU8cHb_G7XfADTE%3D/1500x0/filters%3Ano_upscale%28%29%3Amax_bytes%28150000%29%3Astrip_icc%28%29/vdotdash_INV_final-The-Foreign-Exchange-Interbank-Market_Feb_2021-01-bb2f378cd30b4e52903c2dc382c1121d.jpg

EBS=世界最大級のインターバンクFX取引システム

EBS(Electronic Broking Services)は“銀行どうしがFXを売買する本店レート”を作っている場所。

FXの世界には個人トレーダーが見るレートとは別に、大手銀行同士が本気で取引するための本物の現物のレート市場 がある。それが EBSです。


🚨 EBS障害とは?

EBSのシステムに通信障害・サーバートラブル・データ遅延 が起こり、世界のFX市場のレート配信が一時的に乱れること。

例えばこんな影響が起こる👇

  • ドル円のスプレッドが急に広がる
  • 板が薄くなり約定しにくい
  • 高速取引アルゴが一時的に停止
  • 市場参加者が様子見→値動きが止まる or 逆に乱高下

EBSは市場の“心臓”なので、トラブルが出ると世界中のFX取引の流動性が落ちる=値が飛びやすくなるという現象が起きる。


CMEとは?

CME(Chicago Mercantile Exchange)=シカゴ・マーカンタイル取引所世界最大のデリバティブ(先物・オプション)取引所グループ。

📌 CMEで取引されている代表的なもの

  • FX先物(ドル円先物など)
  • 金利先物(米国債金利の先物)
  • S&P500・NASDAQなど株価指数先物
  • 原油などコモディティ先物

特に**アメリカの金利先物(FF金利・米国債先物)**は世界の相場を動かす“心臓”のような存在。


🚨 CMEシステム障害が起きた場合は?

これはかなり重大です。

  • 米金利先物が止まる → 世界のリスクオン/リスクオフ判断が不能に
  • 株価指数先物が動かない → 株市場の方向性が消える
  • FX先物の価格形成が歪む → 現物FX(EBS)にも遅延や歪みが波及

→ 結論:株もFXも一度止まる可能性があるレベルの重大インシデント

EBS障害よりも市場全体の影響範囲が広い。

トレーダーruka

本日まさにアメリカ感謝祭の商いが薄い中、CME障害が起きたようです。年末の閑散相場にも見ない荒れた動きでした。


閑散相場で起きること(FX全体に共通)

① スプレッドが広がる

市場参加者が少ないため、買いと売りの価格差が普段より広がる。

特に夜中(NYクローズ前後)・年末・祝日・指標間の空白は顕著。


② 値が飛びやすい(価格が滑りやすい)

板が薄くなるため、

  • ちょっとした注文でも急に動く
  • ヒゲ(上下の大きな影)ができやすい
  • スリッページが発生しやすい

ストップ狩りが起こりやすい のも特徴。


③ アルゴ(自動売買)が主導する相場になる

人間のトレーダーが減る時間帯はアルゴだけが相場を作る。

その結果

  • 理由のない上下
  • 一方向に伸びる
  • 急落 → すぐ戻る “フェイク”
  • 出来高の少なさによるノイズ

が増える。


④ トレンドが発生しにくい

材料も人も少ないのでだらだら横ばい になりやすい。指標待ちの場面でも起こる。


⑤ ファンド・機関投資家の調整で“大きな動き”が出ることも

閑散相場は“静か”なだけじゃない。

大口が調整でポジションを動かすと板が薄いので一気に動く。

クリスマス〜年末の資産調整や休日前の手仕舞いなどで急変が起きるのはこれが理由。


【FX年間版】閑散相場でスプレッドが開きやすい時期

① 年末(最も閑散+最も危険)

📅 12月20日〜31日(特に24〜26日)

  • クリスマス前後で欧米勢が完全に休暇入り
  • 機関投資家がポジション調整を完了
  • FXは動いているように見えるけど“空気のマーケット”

👉 スプレッド急拡大・ヒゲ乱発・急落急反発のフェイクが一番起こりやすい。


② 新年(アジアのみで極端に薄い)

📅 1月1日〜3日

  • 日本以外は“三が日”の概念がないため
     → 市場は開いていても薄い
  • 欧米勢はまだ休暇モード

👉 スプレッドがいつもより広い+値が飛びやすい。


③ ゴールデンウィーク(日本だけ休み)

📅 5月初旬(GW期間)

  • 日本だけ休暇=日本の流動性がゼロに近い
  • 海外は通常営業
  • ドル円は特に板が薄くなりやすい

👉 過去にもGW中に フラッシュクラッシュ(瞬間急落) が発生。


④ サマーシーズン(米欧の長期休暇)

📅 7月下旬〜8月末

  • 欧州・アメリカのバカンス期間
  • 月末月初以外は大口が不在
  • トレンドが出ず“だらだら横ばい”になりやすい

👉 大きなファンドの売買がないとスプレッドが広いままヨコヨコになりやすい。


⑤ イースター休暇前後(欧州の大休暇)

📅 3月末〜4月初旬

  • 欧州勢がほぼ不在になる
  • ロンドン時間が極端に薄くなる
  • 板が普段の半分以下になることも

👉 スプレッドが広くなる+方向感が消えやすい。


⑥ 感謝祭(米国最大級の祝日)

📅 11月第4木曜日+翌金曜日

  • 米国勢が休場
  • 金曜日は“半休”+ほぼ全員が休暇入り
  • FXは動いていても超閑散

👉 スプレッドが急に広がる時間帯が非常に多い。


⑦ 四半期末・半期末(決算のポジション調整)

📅 3月末・6月末・9月末・12月末

  • 機関投資家がポジションを縮小
  • 通常より注文サイズが減る
  • 板が薄くなりやすい

👉 方向感が消える or 調整で大きく動く両極端が起きる。


トレーダーruka

本日の記事はFXトレーダーには、大事な資産を守るためにも頭に入れて置いてほしい内容です。
永久版としてぜひトレードに活用してみてくださいね。


参考リンク


CME障害ってなに? 閑散相場の年間スケジュール

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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
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