為替介入とレートチェックの仕組み― 過去の介入から読み解く「160円台」の危険性と、次のドル円相場 ―

為替介入の法則 介入のお金はどこから?

円安が続くたびにニュースで聞く「為替介入」。
特に2024年以降は、介入の規模が数兆円単位に拡大し、
トレーダーにとっては “最も警戒すべきイベント” と言える存在になっています。

この記事では、初心者でも理解できるように

  • 過去の介入がどこで起きたか
  • なぜそのタイミングで行われたのか
  • レートチェックとは何か
  • そして今のドル円がどれほど危険な位置にいるのか

を、分かりやすくまとめていきます。


目次

為替介入とは?

為替介入(かわせかいにゅう)とは、円安や円高が行き過ぎたときに、日本政府がレートを安定させるために “実際のお金を使って市場に参加すること”。

日本の場合は

  • 財務省が指示を出し
  • 日銀(日本銀行)が実務操作を行い
  • ドルと円を大量に売買する

という仕組みになっています。

トレーダーruka

簡単に言うと政府が巨大なトレーダーになって相場に入ってくるということです。


為替介入に使うお金はどこから来るの?

🟩 介入に使うのは「外貨準備(がいかじゅんび)」

日本政府が保有している 巨額のドル資産 のこと。

日本は世界でも最大級の外貨準備を持っています。(総額:約1.3兆ドル=200兆円規模)

ここからドルを売って円を買う。

トレーダーruka

抑えておきたいポイントは税金で円を買っているわけではないことです。

🟩 外貨準備の内訳は?

  • 米国債(アメリカの国債)
  • ドル現金
  • 外貨建て資産

などの資産を日本は大量に保有しています。

介入が必要なときは、この米国債の一部を売ってドル現金にし、そのドルで円を買う仕組みになっています。

トレーダーruka

日本は、外貨準備高(為替用資産・金・その他を含む)で世界 第2位 の規模を持っています。
長年貿易黒字で稼いだドルや、為替安定の目的で積み上げたドル資産があるためです。
具体的には、最新データで約 1.2兆~1.3兆米ドル 程度の外貨準備高を持っているとされています。


過去の「実弾介入」がどこで起きたのか?

2022年9月:2.8兆円の介入(≈145円付近)

  • 24年ぶりの円買い介入
  • 円安が急加速し、145円台へ
  • 「過度な投機を是正する」として財務省が大規模介入
  • この時は 2.8兆円 の資金が投入され、一気に円高方向へ動きました。

👉 この介入が“円安トレンドに対する姿勢”を市場に示した最初の大型介入。


2022年10月:6.3兆円(史上最大級の介入)

  • 150円突破のタイミング
  • 過去最大規模 6.3兆円 の介入
  • ドル円は数時間で 151円 → 146円台まで急落
  • 市場に「本気のラインは150円付近」と強いメッセージを与えた。

👉 一発で“5円以上”動くこともある典型例。


2024年4〜5月:9.8兆円(異例の大型)

  • 約160円手前で実施
  • 9.8兆円という過去でも類を見ない規模
  • この後ドル円は 158円 → 152円台まで急落
  • 「160円は絶対に守りたいライン」と市場に強烈に意識させた。

👉 介入が“トレンド転換レベル”の反動を生むこともある。


2024年7月:5.5兆円(再び160円近辺)

  • 再度160円台へ接近した局面
  • 大規模な 5.5兆円の介入
  • ドル円は155円台まで急反落
  • 「160円→即介入」という市場の常識を決定づけた

👉 “160円台は財務省のレッドゾーン” という認識が定着。


筆者が考える為替介入の“4つの法則”

過去の為替介入を体験し特徴的な動きを感じたので今回は4つにまとめました

① 介入は「前回高値の更新」で起きる

  • 145円 → 介入
  • 150円 → 介入
  • 160円手前 → 介入
    高値を超えた瞬間=危険ゾーン。

② 1回目は軽く、2回目が本命

  • 1回目:1〜2円落ちるがすぐ戻される
  • 2回目:3〜5円の“大落下”が来る
    2発目こそ本気。

③ 異常なスピードで円安になるところで介入が起こる

  • 1日で2〜3円上昇
  • 止まらず上がり続ける
    “円安暴走モード”で政府がブレーキを踏む。

④ 介入1回で3〜5円は普通に動く

  • 実弾が入るとチャートが一瞬で急落
    3〜5円、時には6円以上動くこともある。

筆者のまとめ

過去の介入を振り返ると、すべて“前回高値を超えたタイミング”で本格的に仕掛けられています。
1回目では止まらず、2回目の介入で一気に3〜5円落ちる動きも毎回のように起きています。

今のドル円は、まさにその「危険ゾーン」に入っている状態です。雇用や景気はじわじわと弱っているのに、株価と金利だけが上がり続けるという矛盾した一年でした。

年末にかけて市場は薄くなり、指標と介入が重なると本当に一撃で大きく振れます。
だからこそ私は今、ロットを抑え、慎重にトレードしています。


今年の確定申告の収支にも影響が出る時期なので、焦らず落ち着いて、今年最後の相場と向き合っていきたいと思っています。


参考リンク


為替介入の法則 介入のお金はどこから?

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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
これからの時代、情報や選択肢があふれる中で、資産形成の第一歩を踏み出すためのヒントを届けたいと考えています。
多くの方が安心して未来を描けるよう、金融リテラシー向上の一助となるブログを目指しています。

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