昨日(日本時間10月30日午前3時ごろ)、米国の中央銀行「FRB(連邦準備制度)」が開くFOMC(連邦公開市場委員会)の結果が発表されました。
市場ではすでに「利下げ」をある程度織り込んでいましたが、声明やパウエル議長の発言内容によってはサプライズになる可能性もありました。
結果として、FOMCは0.25%の利下げを実施。しかし年内にもう一度利下げがあるかどうかは「確定ではない」との姿勢を示しました。
今回は、このFOMCの内容と、年内の見通し、そして今のアメリカの雇用状況を初心者向けにやさしく解説します。
トレーダーruka今回はすでに折り込まれていた利下げでしたが市場は今後の動向に注目していました。整理してまとめてみます。
🏦 FOMCとは?
FOMCとは「Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)」の略で、アメリカの金利やお金の流れを決めるとても重要な会議です。
世界中の投資家が注目しており、FOMCの発表によって株価・ドル円・金利などが一気に動く年8回開催される重要指標です
💰 今回(10月)のFOMC結果
- 政策金利:3.75%〜4.00%に引き下げ(前回より0.25%の利下げ)
- 決定:10対2で可決(1人は据え置き、1人は0.50%利下げを希望)
- 内容:
「インフレは依然としてやや高止まり」「雇用は緩やかに増えている」
ただし「今後の利下げは確定ではない」と慎重姿勢を示しました。 - パウエル議長の発言: “12月の利下げは確定的ではない。データを見極めながら判断する”



パウエル議長の発言によって、市場が期待していた“年内もう1回の利下げ”にブレーキがかかった形です。
📊 2025年のFOMC・利下げスケジュールまとめ(確定版)
| 開催月 | 日本時間での発表日 | 政策金利レンジ | 変化 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 3月 | 3月20日(木) 午前3時頃 | 4.25%〜4.50% | 据え置き | インフレ高止まりを警戒し様子見 |
| 6月 | 6月19日(木) 午前3時頃 | 4.25%〜4.50% | 据え置き | 景気データを注視し、利下げ見送り |
| 9月 | 9月18日(木) 午前3時頃 | 4.00%〜4.25% | 0.25%利下げ | 今年初の利下げ。景気減速を背景に決定 |
| 10月 | 10月30日(木) 午前3時頃 | 3.75%〜4.00% | 0.25%利下げ | 2会合連続の利下げ。パウエル議長「12月利下げは未確定」 |
| 12月 | 12月18日(木) 午前3時頃(予定) | ― | ― | 年内最後の会合。 |
※FOMCは年に8回(約6週間ごと)行われ、3・6・9・12月は「経済予測(SEP)」と「ドットプロット」も発表されます。
📉 フェドウォッチで見る“市場の見方”
CME(米シカゴ先物取引所)が公開している 「FedWatch Tool」 では、
市場が「次の会合で利上げ・利下げが行われる確率」をリアルタイムで確認できます。
- 10月会合前:利下げ確率は 約80%
- 発表後:12月利下げの確率は 50%以下に低下
→「すぐに追加利下げはないかも」という見方が広がっています。
参考リンク👇
CME FedWatch Tool(公式サイト)🇺🇸 今のアメリカ経済と雇用の状態
🔹 現在の米雇用状況
- 失業率:約4.3%前後(低い水準を維持)
- 新規雇用者数:伸びが鈍化(採用ペースが落ちている)
- 失業保険申請件数:約23万人/週(微増傾向)
つまり、「仕事はまだあるけれど、企業は慎重になってきている」という状態です。
以前のように“どんどん採用”ではなく、“様子を見ながら雇う”流れに変わっています。



若者や高学歴の人材まで定職につけない現状です。
現場はかなり深刻な状況だと感じられます。
🔹 注意点
- 政府機関が閉鎖の影響で雇用データの公表が遅れています。
- FRBも「データが不完全なので慎重に判断する」と発言しており、次のFOMCに向けて雇用・インフレデータがより重視される見通しです。
🇺🇸 政府閉鎖はなぜ続いている?いつ終わるの?
アメリカでは、10月1日から政府が一部ストップしています。
これは「政府閉鎖(Government Shutdown)」と呼ばれ、国の予算が決まらず、一部の役所や統計機関が動けない状態です。
今回の閉鎖はすでに1か月近く続いており、過去でもかなり長い部類に入ります。
このため、雇用統計や失業率などの重要な経済データが更新されず、「今のアメリカ経済がどの位置にいるのか」が分からない状況になっています。



なぜ閉鎖しているの?
政府の予算(お金の使い道)について、議会で与野党が対立しているためです。
「どこにどれだけお金を使うか(防衛・医療・教育など)」で意見が割れていて、予算案が通らないと国の機関にお金が配れません。
🔹 どうすれば解除されるの?
- 上下両院(議会)が予算案を通すこと
- 大統領が署名すること
→ この2つがそろえば、閉鎖は解除されます。
ただし、いまも協議が難航していて、「11月下旬ごろまで続く可能性」 も指摘されています。
筆者のまとめ
今回の利下げは、すでに市場が織り込んでいたため、発表直後のインパクトは大きくありませんでした。
しかし、パウエル議長の「年内の追加利下げは難しい」という発言をきっかけに、ドルが急激に買われ、円安が進む展開となりました。
一方で、アメリカでは政府閉鎖が続いており、雇用統計や失業率などの最新データが発表されない状態が1か月以上続いています。
つまり、世界中の投資家が注目する“アメリカ経済の今”が見えないまま相場が動いているという、非常に不安定な状況です。
もし政府閉鎖が解除され、これまで止まっていた経済データが一気に公表された場合、
その内容次第では相場が大きく動く可能性もあります。
逆に、雇用や景気が想定以上に悪化していれば、年内の追加利下げが再び議論される展開も考えられます。
現在はドル円が買われ、日本株にも資金が流れやすい環境ですが、
一方で日本への投資需要が高まれば、「円を買って日本株を買う」動きも出てくるため、
過度な円安は長く続かないと私は見ています。
今は、それぞれの資産(株・金利・ゴールドなど)のバランスを見ながら、
円高方向への“適正価格”を意識して調整していくことが大切です。



引き続きこのブログでも、相場の動きと世界の経済の変化を追いながら、次の展開を一緒に考えていきたいと思います。 🌍💬
🔗 参考リンク(有効)












コメント