ASEAN首脳会議2025:ASEANとは?歴史から見るアジアの成長

ASEAN / 東南アジア / 日本の立ち位置 / 経済成長 / 脱中国 / 地政学

高市総理は就任後初めての外遊として、マレーシアのクアラルンプールで開催された第28回日・ASEAN首脳会議に出席しました。

ASEANは現在、人口や若者の比率をみても世界の成長の中心へと位置づけられている地域です。
人口が減り、縮んでいく日本に対して、ASEANは若い労働力と成長余力を持つ「膨らむ地域」。


だからこそ日本は、経済・安全保障・デジタル分野を通じて関係を深めようとしています。


目次

🌏 ASEANとは?

**ASEAN(アセアン)**は**「東南アジア諸国連合」**のこと。

地域の平和・経済協力・成長を一緒に進めていこうという目的でつくられた国のグループ同盟みたいなものです。


ASEANはどこの国?

10カ国からなる連合になります。

国名特徴(投資視点でざっくり)
インドネシア人口増加×資源国×デジタル化進行中
マレーシア多民族国家で安定感・イスラム経済にも強い
シンガポール金融ハブ・富裕層と企業が集まる中心地
タイ観光×製造業の拠点、EV産業にも注目
フィリピン平均年齢24歳・英語人材が多い・成長国
ベトナム製造業のシフト先として超注目株
ラオス水力発電のポテンシャル、まだ伸びしろ大
ミャンマー資源豊富・政治リスク大きめ
カンボジア若い労働人口が多い・経済発展これから
ブルネイ石油・天然ガスに依存、人口少なめ
トレーダーruka

日本は ASEANの重要パートナー国
🌏 ASEAN+3
ASEAN10か国日本中国韓国
この 13か国でアジア経済協力を進める枠があります。


ASEANの歴史

① 1960年代:冷戦と戦争の渦中で生まれた

当時の東南アジアは、

  • ベトナム戦争
  • 共産主義 vs 資本主義(アメリカ vs ソ連・中国)
  • 内戦・クーデター・独立運動

など、とにかく不安定で分断されている地域でした。

そこで、

「一緒に手を組まないと、巻き込まれて国が崩れる」

という危機感から、5つの国が手を組みました。

②1967年 ASEAN誕生(設立5カ国)

状況
タイ地理的に中間、外交バランスに強い
フィリピンアメリカ寄り、英語文化
マレーシア多民族国家、安定化を求める
シンガポール独立したばかりで生存戦略が必要
インドネシア国として統合期、外圧に敏感

つまり、**戦争に巻き込まれないための“生存同盟”**がスタート地点。


③ 1980〜90年代:成長と統合へ

冷戦が落ち着いて、東南アジアに経済発展のチャンスが到来。

  • 工場の生産拠点が日本 → 東南アジアへ移る
  • 若い労働力 × 外資導入で成長が加速
  • 都市化・製造業・貿易が拡大

この頃からASEANは脱・安い労働力として成長していきます。


④ 1997年:アジア通貨危機

ASEANの転換期になるアジア通貨危機が起こります。

  • タイの通貨バーツが崩れる
  • 連鎖してASEAN全体が金融危機に
  • IMF介入・失業者増加・企業倒産

このことから➡️「地域で助け合う金融システムが必要だ。」

この反省が、後のASEANの団結力の強さにつながります。


⑤2000〜2015年:中国の台頭とASEANの再定義

中国が世界の工場として急成長。

しかしASEANは、

  • 「中国の下位互換」ではなく
  • 「中国に依存しないサプライチェーンの受け皿」

として再注目されていく。


⑥2015年:ASEAN経済共同体(AEC)発足

→ 人・モノ・お金の移動を自由化する仕組み。

ここでASEANは**“地域経済圏”**として明確に形を持った。


⑦2020年〜ASEANの立ち位置

✅ 新たな成長&転換期

  • ASEANは2020年に入って、コロナ禍で経済が大きく打撃を受けた地域のひとつ。
  • 一方で、その逆境を「デジタル化/新経済(ニューエコノミー)」への転換機会として捉えており、**成長国の“次の舞台”**としての位置づけが強まっている。

特に

今なぜ強い?
ベトナム「脱中国」の工場移転の最有力地
インドネシア資源+巨大人口+デジタル化
フィリピン英語圏×若い労働市場(AI人材育つ)

各国が成長を高めアジアの経済圏の基盤を固めている。


✍️ 筆者のまとめ

今回の高市総理の初の外遊がASEAN訪問だったことは、日本にとって新しい立ち位置を示す重要な一歩だったと感じています。
今、世界では「脱中国」の流れが明確になりつつあり、これまで中国に依存していた安い労働力や生産体制が、大きく再編されようとしています。
その中で、人口と成長力を持つインド・ベトナム・フィリピンなどが、AIや英語教育、デジタル産業を強化していけば、世界の力関係そのものが変わっていく可能性があります。
だからこそ、ASEANは「ただの新興国」ではなく、これからの経済バランスの中心軸になり得る地域。
私自身も、こうした国際的な動きや世界イベントを今後も継続して追いながら、時代の流れを見極めていきたいと思います。


参考リンク



ASEAN / 東南アジア / 日本の立ち位置 / 経済成長 / 脱中国 / 地政学

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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
これからの時代、情報や選択肢があふれる中で、資産形成の第一歩を踏み出すためのヒントを届けたいと考えています。
多くの方が安心して未来を描けるよう、金融リテラシー向上の一助となるブログを目指しています。

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