なぜ人は上昇相場で利確できず、暴落で慌てて売ってしまうのか

史上最高値と暴落の狭間で揺れる投資心理を解説

ただいま日経平均や米国株、ドル円、そしてゴールドまでもが急騰しています。
あらゆるセクターが高値を目指し、「まだ上がる」という声が市場を包み込んでいます。

今だからこそ、誰よりも冷静に相場を俯瞰して見る必要があります。


今日は、人間の心理と投資行動の関係、そして市場が過熱している時にどう行動すべきか──その判断軸をまとめました。


あなたの相場観の整理に、少しでも役立ててもらえたら嬉しいです。


目次

相場を動かすのは「経済」ではなく「人の心理」

投資をしていると、つい経済指標や企業業績ばかりを見がちですが、実際に相場を動かしているのは人間の感情です。いくら世の中や時代が変わっても人間の本質はなかなか変わらないものです。

相場が上昇すると「まだ上がる」と感じ、下落すると「もう終わりだ」と不安になる。
この反応は意志の弱さではなく、脳の仕組みによるものです。

心理学では、人は「損を避けたい」という本能を持っています。

これを 損失回避バイアス と呼び、利益を得る喜びよりも、損失の痛みを2倍以上強く感じるといわれています。

そのため、上昇相場では「まだ上がる」と信じて売れず、暴落相場では「これ以上下がったら嫌だ」と損切りしてしまう。
人間の感情が、まさに“逆方向の行動”を生んでいるのです。

トレーダーruka

損は膨らみ、利益は確定できず、損大利小になってしまう人が多い。投資家としては損小利大を意識することが大切になります。


なぜ高値で売れないのか ─ 3つの心理メカニズム

① 保有効果(Endowment Effect)

人は「自分が持っている資産」を、実際より高く評価してしまう傾向があります。
買った銘柄に愛着が湧き、「この株は特別だからまだ上がる」と思い込む。
結果として、冷静に利確できなくなります。

② 確証バイアス(Confirmation Bias)

人は自分の信じたい情報ばかりを集めて、不都合な情報を無意識に無視します。
上昇相場では「まだ上がる」というニュースばかり探してしまい、「そろそろ危ない」というシグナルを見落とす。

③FOMO(取り残される恐怖)

SNSやメディアで「爆益」「まだ買える」という言葉を見て、「自分だけ置いていかれる」恐怖を感じる。その結果、売る決断が遅れて、天井で動けなくなります。


なぜ人は暴落の時に慌てて売ってしまうのか

相場が下落すると、多くの人が一斉に逃げ出します。
このとき働いているのが 群集心理(ヒューリスティック)
「みんなが売っているから自分も売らなければ」と感じ、冷静さよりも“安心感”を優先してしまうのです。

人は社会的な生き物であり、自分だけ違う行動を取ることに強いストレスを感じます。
だからこそ、群衆と同じ行動を取ることで安心するという本能が働く。

しかし投資の世界では、「みんなと同じ行動」はしばしば「間違い」と重なります。
大衆が恐怖で売っているときこそ、冷静に状況を見極める。
これが、群集心理を超えた投資家の第一歩です。


含み益は“資産”ではない

どんなに含み益が出ていても、それはまだ数字上の評価にすぎません。
相場が崩れれば、一夜で消えてしまう“幻の利益”です。

利益は、利確して初めて“資産”になる。

お金を増やすとは、“評価額を増やすこと”ではなく、“資産を積み上げていくこと”です。


利確はゴールではなく「資金の呼吸」

利確とは、投資を終えることではなく、資金を循環させる行為です。
上昇相場の中で一部を利確し、現金比率を上げておく。
それは、次の暴落や調整相場で再び買うための余力を作るということ。

相場は永遠に上がり続けません。
一度“呼吸”をするように、資金を回していく。
それが、長く投資を続けるための基本姿勢です。


VIX指数とFear & Greed Indexで「感情」を数値化する

VIX指数(恐怖指数)とは?

VIX指数は、S&P500の値動き(ボラティリティ)を基に、市場の恐怖度を数値化したものです。

  • VIXが低い(10〜15):投資家が安心している状態
  • VIXが高い(20以上):不安が広がり、相場が荒れている

📉 VIX上昇=株価下落(リスクオフ)📈 VIX低下=株価上昇(リスクオン)

トレーダーruka

つまり、「恐怖が高まるほど買い場が近づく」とも言えます。


CNN Fear & Greed Index

CNNが発表している Fear & Greed Index は、私がよく活用する指数のサイトです。
VIXを含む7つの指標をもとに、市場が今どれだけ「恐怖」か「欲望」かを100点満点で可視化したものです。

数値心理状態意味
0〜25Extreme Fear恐怖がピーク(暴落・売られすぎ)
25〜50Fear慎重・不安定
50〜75Greed楽観的(買いが優勢)
75〜100Extreme Greed強欲・過熱(高値警戒)
トレーダーruka

この指数が70を超えたら「利確を考える時期」。
30を下回れば「恐怖が行き過ぎている=買い場が近い」ことを意味します。


感情ではなくルールで動く投資へ

VIXやFear & Greedのような指標を使うと、
自分の感情ではなく**“数字”で判断**できるようになります。

  • 含み益は幻と理解する
  • 利確は資産を循環させる行為と捉える
  • 現金比率を定期的に調整する
  • 恐怖指数で“市場の温度”を測る

この4つを意識することで、
「感情で売買する人」から「ルールで投資する人」に変わることができます。

トレーダーruka

投資で勝てる人の多くは投資ルールを設定してルールを元にブレずにトレードしています。


✍️ 筆者のまとめ

今日は、心理学や相場の状況から、私が普段取り入れている投資ルールを少し紹介しました。
昔から“靴磨きの少年”の話があるように、誰もが市場の高値圏で株の話をし始める時こそ、相場の天井が近いとも言われています。

このタイミングで、しっかりと利確して自分の資産に変えることができるか
あるいは「まだ上がる」と思って資金を投入してしまうのか──。
その判断ひとつで、将来の資産は大きく変わります。

今のように相場が盛り上がっている時こそ、冷静に勉強したり、情報を整理したりすることが大切です。
ブログやYouTubeや本など自分に合ったもので知識を深め、「良い相場の時にこそ学ぶ」という姿勢が、数年後の資産の差になります。

熱気に飲まれず、企業や政府の将来性、世界情勢などを多角的に分析しながら、次の波に備えていきましょう。

トレーダーruka

相場では「頭と尻尾はくれてやれ」と言われてるように天井と土底を予測することは難しいことです。
相場は思い通りにはいかないので、私はいくつかのシナリオを持って挑むようにしています。



史上最高値と暴落の狭間で揺れる投資心理を解説

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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
これからの時代、情報や選択肢があふれる中で、資産形成の第一歩を踏み出すためのヒントを届けたいと考えています。
多くの方が安心して未来を描けるよう、金融リテラシー向上の一助となるブログを目指しています。

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