第1弾ではAIが奪う仕事、第2弾ではベーシックインカムとAI時代の生活保障を考えました。
今回は番外編として、認知科学者・苫米地英人さんが提唱する**「シン・ベーシックインカム理論」**を深掘りします。
毎月20万円の給付というインパクトのある提案と、半減期通貨や**CBDC(中央銀行デジタル通貨)**を活用した新しい社会の仕組みを解説します。

第3弾「人間にしかできないこと」を書く予定でしたが、苫米地さんのお考えがあまりにも多くの疑問をクリアにしてくれるお話でしたので緊急で番外編を書くことにしました。
現代の仕組みについて考えていただけるきっかけになればと思います。
苫米地英人氏のシン・ベーシックインカムとは?
苫米地英人さんは、日本の全ての国民に対して毎月20万円を無条件で給付するという大胆な提案をしています。
これにより、生活費や家賃、教育費などが賄え、働かなくても最低限の生活ができる社会を目指します。
- ユニバーサル(Universal):すべての人が対象(所得や職業に関係なく)
- ベーシック(Basic):最低限の生活を保障できる額
- インカム(Income):現金として支給される(現物給付ではない)
半減期通貨とは?
- 貯め込まずに早めに使うインセンティブが働く
- 経済が循環し、消費が促進される
- 減価分は国庫に戻り、次回以降の給付財源になる
財源と仕組み
苫米地さんの案では、給付の財源は以下の組み合わせで賄います。
- 半減期通貨の減価分:自然に減った分が国に戻る
- AI・ロボットが生み出す生産性:経済の付加価値増加分を再分配
- 国債発行や税制改革:持続可能な範囲で追加財源を確保


半減期通貨がもたらす財政再設計
現在、日本は国債残高が1,000兆円以上あり、その利払いだけでも毎年数十兆円規模の支出が必要です。
国の一般会計(約110兆円)のうち、国債費(元利返済+利払い)は約25%前後を占めています。
つまり、国は毎年かなりの金額を「借金返済」に回しており、他の政策に使える予算は圧迫されています。
苫米地さんは、ここに半減期通貨とベーシックインカムを組み合わせることで財政を再設計できると主張します。
- 毎月20万円を全国民に給付すると、年間約300兆円の財源が必要
- 半減期通貨で給付すると、仮にそのうち半分(150兆円)が使われず残った場合でも、残額は自動的に国庫へ送金される
- 国はこの還流分を、国債の利払い・元本返済に充てることが可能
- 消費された150兆円は国内で経済を循環させるため、税収や雇用増加を通じて追加の財源が自然に生まれる
CBDCとの相性
この仕組みはCBDC(中央銀行デジタル通貨)と非常に相性が良いとされています。
- 給付の効率化:全国民に一律で送金できる
- 自動減価機能:時間経過で残高を減らす処理が簡単に実装できる
- 政策効果の把握:消費データを即時分析し、景気刺激策に活用可能
ただし、CBDCにはプライバシー懸念やサイバー攻撃リスクもあり、導入時は慎重な制度設計が必要です。
期待される効果
- 消費が活性化し、景気が停滞しにくい
- 生活の安心感が高まり、学び直しや挑戦がしやすくなる
- 「お金のための仕事」ではなく「やりたいこと」に時間を使える社会に近づく
課題・懸念点
- 貯蓄機能が弱まるため、将来不安をどう解消するか
- デジタル通貨インフラとセキュリティ体制の整備
- 国民が「価値が減る通貨」をどこまで受け入れられるか



半減期通貨は供給量がコントロールされるため、通貨を刷りすぎることによるインフレは起きにくいと説明されています
筆者の考え✍️
苫米地さんが一番伝えたかったのは、この世の富と価値が一部の人に集中しているということだと思いました。
通貨の「価値保存」機能を利用して、富を代々引き継ぎ、権力と利権を握る人たちがいる。
その結果、貧富の二極化がどんどん進み、今や格差は誰の目にも明らかです。
SNSが発達したことで、
「月10万円で暮らす人」と「毎月1000万円稼ぐ人」が同時に可視化される時代になりました。
かつては「隣の人も会社員だから私も会社員」という時代でしたが、
今は働き方も生き方も多様化し、「生活のために働く」という構造自体に疑問を持つ人が増えています。
苫米地さんの話で特に共感したのは、**人生はやりたくないことをして生活費を稼ぐためだけに終わっていいのか?**という問いです。
本来、憲法でも「自由に働く権利」が保障されているのに、
現実には「生活のために働かざるを得ない」という社会契約に縛られている人が多い。
そして、これまでメディアは「お金持ちになるとこういう生活ができる」という夢物語を刷り込み、ブランド品や高級車、シンデレラストーリーを美化してきました。
でも今、その時代は終わりつつあるとわたしは感じています。
これからは「富を奪い合い、人より裕福になる」のではなく、一人ひとりが好きなことに集中し、幸福度を上げる時代に変わっていくと感じます。
わたしは、AIとベーシックインカムは、この変化の鍵になると思います。
AIが人間と同じように働き、機能してくれる存在になるのならば、人間の生活の在り方が変わるのは自然な流れです。
遠い未来の話ではなく、私は近い将来に実現すると確信しています。
「完全無税・無国債国家」
これが実現したとき、日本は世界で最も先進的な国になり得る。そして、新しいモデル国家として世界の先頭に立てる可能性を感じました。
次回は、この未来社会の中で「人間にしかできないこと」について書きます。
時代が変わる今だからこそ、人間の価値や役割を一緒に考えていきましょう。
💡参考動画


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