【初心者向け】スタグフレーションとは?リセッションとの違いと歴史的事例|解決策を解説

スタグフレーション vs リセッション|2025年相場はどう動く?

現在のアメリカでは雇用統計が悪化し、失業率も上昇傾向。
さらに各地でデモが発生したり、地政学リスクが高まったりと、市場が揺らぐニュースが続いています。

こういう時によく耳にするのが「スタグフレーション」という言葉です。
さらに「リセッション(景気後退)」という言葉も同時に出てきて、バブル相場なのに生活は苦しいという人が増えている今、頭の中が混乱する人も多いはず。

今回は、スタグフレーションとは何か、リセッションとは何が違うのかを整理し、
今の相場とどう向き合うべきかを考えていきます。

目次

スタグフレーションとは

スタグフレーション(Stagflation)は、

  • 景気が停滞している(スタグネーション)
  • それでも物価が上昇している(インフレーション)

という、経済にとって最悪の組み合わせを指します。

通常は景気が悪化すると物価は下がるはずですが、スタグフレーションでは景気も悪く、物価も上がるため、家計も企業も二重に苦しむことになります。


リセッションとスタグフレーションの違い

よく景気が悪くなるとリセッションとスタグフレーションという言葉が投資家の間で飛び交います。似ている用語ですが違いをみていきましょう。

リセッション(景気後退)スタグフレーション
状況景気が落ち込み、物価は下がる景気が落ち込み、物価は上がる
原因需要減少、企業の投資縮小原油高や物流停滞などの供給ショック+金融緩和
金融政策利下げが有効利下げすると物価上昇を助長するリスク
投資への影響株は下がるが、債券や現金が安全資産に株も債券も売られ、コモディティ(ゴールドや原油)が買われやすい

過去に起きたスタグフレーションの例と政策対応

1970年代:オイルショック期

  • 何が起きたか:原油価格が急騰 → 世界的に物価上昇 → 失業率上昇
  • 政府・中央銀行の対応
    • 当初は景気を支えるため利下げ → さらにインフレ悪化
    • 後に金利を一気に引き上げ(米国ではボルカーFRB議長が政策金利20%近くまで引き上げ)
    • インフレを強制的に止め、長期不況を乗り越えた

2021〜2022年:コロナ後の供給制約期

  • 何が起きたか:物流停滞・半導体不足 → 物価急騰、景気回復鈍化
  • 政策対応
    • FRBは金融緩和を急停止し、急速に利上げを実施
    • 2023年以降はインフレが落ち着き、再び金利調整(利下げ検討)に

スタグフレーションをどう解決してきたか

  • 短期的には痛みを伴う:金利引き上げ、需要を抑え、物価を落とす
  • 中期的には供給サイド改善:エネルギー供給拡大、物流再構築、生産性向上
  • 長期的には再成長サイクルへ:インフレが収まった後に利下げし、景気を再加速

今回スタグフレーションを回避するには?

  • 供給側の改善:原油増産、物流正常化、供給制約の解消
  • 段階的な金融政策:利下げと同時に物価を抑える施策(補助金や価格調整)
  • 構造改革:生産性を高め、コストプッシュ型インフレを抑制する

つまり、単なる利下げだけでは解決しません。「景気回復」と「物価抑制」の両立が求められます。


今のアメリカ経済と利下げの影響

2025年現在のアメリカは以下の状況です。

  • 雇用統計が弱く、新規失業保険件数も増加傾向
  • CPIやPPI(インフレ指標)は落ち着きつつもまだ高止まり
  • FRB(米連邦準備制度理事会)は年内利下げをほぼ織り込み済み

もしここで利下げが行われると

  • 景気は下支えされる(企業や個人が借りやすくなる)
  • ただしドル安になりやすく、輸入品の値段が上がり、物価がさらに上昇する可能性
  • 株は一時的に上がるかもしれないが、インフレが再燃すると再び下がる危険も
トレーダーruka

つまり「景気は守るけど、物価が上がるリスク」も背負うことになるのです。


スタグフレーションで起きやすい各セクターの動き

  • 株式市場:景気敏感株(自動車、住宅、不動産、旅行など)が下落しやすい
  • 債券市場:インフレ懸念から売られ、長期金利が上がりやすい
  • ゴールド(金):安全資産として買われやすく価格が上がりやすい
  • 原油・エネルギー:インフレ要因でもあるが、供給がタイトならさらに値上がり
  • 通貨市場:ドル安になりやすいが、円やスイスフランなど安全通貨が買われるとは限らない(最近は円が弱いケースも多い)

筆者のまとめ✍️

私は、今回も同じサイクルをたどる可能性が高いと考えています。
今はまだ「景気を冷やすフェーズ」であり、利下げが入れば一時的に株価は上がるかもしれませんが、インフレが再燃すれば再び引き締めに戻るかもしれません。

投資家にできることは、歴史を知り、どのフェーズにいるのかを意識しながらポジションを取ること
過去と同じく、スタグフレーションは終われば次のチャンスが来る——この視点を持っておくと焦らずに相場を見られると思います。



スタグフレーション vs リセッション|2025年相場はどう動く?

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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
これからの時代、情報や選択肢があふれる中で、資産形成の第一歩を踏み出すためのヒントを届けたいと考えています。
多くの方が安心して未来を描けるよう、金融リテラシー向上の一助となるブログを目指しています。

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