【米新規失業保険】申請件数が26.3万件に急増、予想を大幅上回る結果に

米新規失業保険が急増!雇用悪化がいよいよ現実に
目次

新規失業保険申請とは?

新規失業保険申請(Initial Jobless Claims)は、初めて失業保険を申請した人数を集計した週次の経済指標です。米国労働省(DOL)が毎週木曜日に発表します。

  • カバーするのは1週間分(土曜日締め)
  • 季節調整済みと未調整の2種類が公表されるが、市場では季節調整済みの数字が注目される
  • 景気が悪化すると申請件数は増加、好況だと減少する

どんな意味がある指標?

  • 雇用市場の先行指標
    他の雇用指標(NFPや失業率)が月次なのに対し、これは毎週発表されるため「景気の変化をいち早く捉えられる」データです。
  • 市場が注目する理由
    • 雇用が崩れ始めるとすぐに数値が悪化するため、景気後退(リセッション)の初期シグナルになりやすい
    • FRBの金融政策判断(利下げ・利上げ)にも影響を与える
トレーダーruka

見るときのポイント
1週だけでは判断しない
天候や祝日などで変動が大きい週があるため、4週間移動平均を見るのが基本。
継続受給者数(Continuing Claims)とセットで確認
新規申請だけでなく、失業状態が長引いている人(継続受給者)が増えているかどうかも重要。


新規失業保険申請の結果

米労働省が9月12日(日本時間)に発表した新規失業保険申請件数は、263,000件と予想(235,000件)を大幅に上回りました。

前週の236,000件から27,000件増加し、直近4週間平均も240,500件とじわじわ上昇傾向にあります。

📊 ポイント

  • 予想:235,000件
  • 結果:263,000件(前週比+27,000件)
  • 4週間平均:240,500件

継続受給者数(Insured Unemployment)は193.9万人と横ばいでしたが、新規申請件数の急増は雇用市場が想定以上に軟化している可能性を示唆しています。


市場の反応

この結果を受け、米国市場では以下のような動きが見られました。

  • ドル円:一時的に1.5円ほど下落し、円買いが進行。その後は買い戻しで下げ幅を縮小
  • 米株:景気悪化懸念から下落、特に景気敏感株が売られる展開
  • ゴールド:安全資産として買われ急騰

PPI(生産者物価指数)のマイナス結果も同日に発表されましたが、市場がより強く反応したのは雇用の悪化を示すこのデータでした。


雇用市場への意味

新規失業保険申請は週次で発表される「景気先行指標」です。
一時的なノイズもありますが、4週間平均が上昇傾向にあることは、雇用市場が緩み始めているサインと見られます。

重要ポイント

  • 1週だけでなく、数週間連続で増加している
  • 継続受給者数が横ばい→一気に雇用崩壊ではないが、徐々に失速している可能性
  • FRBは利下げの判断材料としてこのデータを重視するため、政策決定に影響する可能性大

筆者のまとめ

今回の新規失業保険申請件数が4年ぶりの高水準ということでびっくりする数字が出ました。

最近の雇用統計や失業保険件数の急増を見ても、現場の実態とこれまで発表されてきた数字にギャップがあったことが明らかになってきたと感じます。

今回の悪化は、単なる景気後退ではなく、世界的な不安定さの広がりを示すサインだと思います。

各地でデモや混乱が増え、ゴールドが買われる動きを見ても、安全資産へお金が流れているのがわかります。

大口投資家はリセッションやスタグフレーションを前提に動いているようにも見えます。

円はかつて安全通貨として買われましたが、今はその役割を失いつつあり、「ドルが弱い=円高」になるとは限りません。

だからこそ、日々の指標結果をギャンブル感覚で見るのではなく、数字の背景をしっかり理解し、次の展開を読むことが投資家にとって重要だと思います。



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この記事を書いた人

現在、保護猫2匹と都内で暮らしています。
18歳で美容業界に就職して社会に出た後、5年ほど日本を離れ海外で生活。
会社員を辞め日本を離れ、より「お金と自由」の関係に強い関心と責任を持つようになりました。
2020年のコロナショックをきっかけに、株・為替・仮想通貨、そして地政学や経済の学びを本格的にスタート。
そんな私が、このブログでは今までの経験を活かし投資や経済の知識を、日々の生活や将来設計に役立てられるよう発信しています。
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